営業マンと商品開発 第5回

記事
ビジネス・マーケティング
1. 商品開発は誰がすべきなのか?

 私は小さい頃から何かを作るようないわゆる図工は苦手です。そのようなわけで小学校の時の図工の成績は2でした。そしてその中でも絵は絶望的に下手でした。およそ芸術的才能がないことを自覚しています。そんな私でも自社が所属する小さな業界のマーケット内で数種類のヒット商品を開発してきました。私の中の商品開発とは0から1を生み出すというイメージでしたが、実際に何かを作り出すことは無理でも、アイデアを組み合わせて、その道のプロにお願いして作ってしまうことの方が重要であることを経験から学びました。その経緯から考えた場合、およそ商品開発のようなクリエイティブな仕事においても、中小企業の場合は営業マンが担当することも不可能ではないと思っています。

2. 営業マンが商品開発する最大のメリットとは。。。

まず、営業マンの最大の武器はそのプレゼン能力でしょう。そして自分が開発に関わる、あるいは自らが主導で開発したものであれば、誰より詳細な説明ができると同時に、開発に関わった情熱を伝えることが可能です。そして、営業マンは誰にどのように売るかを明確にイメージでき、ターゲット企業の担当者の顔や性格まで把握して商品を開発することができます。

田舎の凄腕、店主はお客様の顔を一人一人思い出しながら商品の仕入れを行う人がいて、この手法はとてつもなく効率の良い売り上げに直結するという話を以前聞いたことがあります。営業マンの商品開発はこれに似たようなイメージなります。

私の会社には自社店舗があります。そこで小売のビジネスをしています。広告の際には地元の広告会社を使い広告をうちます。その広告代理店の営業マンが優秀であるにも関わらず、広告作成の際にデザイナーさんと直接にやりとりをすることになり、相手の要望を聞こうとする力が営業マンよりも劣るため、本来こちらが要望していた商品とは大きく異なる品質のデザインを納付することになったことがあります。このような経緯からどうしてデザイナー側は現場の要望を察しないのかと思ったことは度々あります。このことからも現場に来る営業マンにしかわからない微妙な空気感、経験があり、それを現場にいないデザイナーに口頭で説明することは難しいと思います。さらにデザイナーはどうしても芸術性が高い人が多くその性質上、自分本位の品質にこだわる傾向があります。しかし、現場で実際に求められているものは必ずしも高品質のデザイン性だけではなく、スピード感や適度な品質とそれに見合った金額である場合も多く存在します。

このように営業において大切なことは、いつも必ずしも素晴らしいデザイン性の商品を作ることではなく、売れる商品を開発すること。デザイナーが作れば確かにスタイリッシュでカッコイイものができるかもしれません。しかし、カッコイイものが求められるわけではなく、売れるものが欲しいのです。

その点において、最終的に取引先に売り込む営業マンが売りやすい商品こそ、最強であり、そんな商品を作れるとしたら、その適任者はやはり営業マン自身です。中小企業においては営業マン自身が商品開発を行なった方が直接的であり成功率が上がると私は思います。

3. 経験は関係ない。

前述の如く、私は商品開発をした経験はありませんでした。そして制作されたものが必ずしもデザイン性に優れているとも思いません。しかし、主役が営業マンである以上、売り込む私が売りやすい商品を選び、デザインを選び、全体をコーディネートをして現場に行きました。そして、そのサンプル品を数社の担当に見せて意見を聞いて、この取引先を含めて、皆で商品を作り上げました。このようなことができるのは、やはりデザイナーではなく、製作側でもなく営業マンです。その高いコミュニケーション能力をいかし、多くの取引先を巻き込むことで、商談をしながら商品開発しているようなそのような感覚を可能にします。商品が開発できた時点で既に数社は購入を約束してくれています。これはまさに商品を開発しながら同時に営業して販売契約を結んでしまうことが出来るのです。これができるのが営業マンの強みと言えるでしょう。

4. 営業は社長が行うと良い。

社長の仕事は会社の10年後を考えることと言われています。その意見は正しいと思います。しかし、営業は会社の根幹あり、その営業の成功率を上げるのは営業マン自身の商品開発能力です。これを踏まえて、社長自らが営業マンして商品開発ができることは極めて重要です。なぜなら、社長自身がその大切な営業の仕事を部下に引き継ぐことができるからです。そして、会社の最重要項目を他人に任せる場合は、現在の営業スタッフが会社をやめても、自分が仕事を引き継げぐことができることが条件になります。

社長の立場からしたら、肝は部下に任せても、仕事ごととられないことです。織田信長の失敗のように、いくら信用していても寝首をかかれるような環境で、部下に大軍を自由に動かせる状態にしておくと、明智光秀のように有能な部下は社長を倒すことを考えないとも言い切れません。企業においてもリスク管理が大切です。肝は部下に任せても、必ず自分もできるようにすることであり、いつ裏切られても立て直すことができることが肝要です。

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