スタジオオーツー のイラスト作成の裏側-1

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デザイン・イラスト

1年半ほどで11件のイラストを納品しました

2022年の6月末からcoconalaでのサービスを開始して
2023年の11月までにおかげさまで11件のご依頼を受けました。
ハムスター、トイプードル、さび猫ちゃん、ミックス犬のご依頼でした。
ご依頼は一件ずつ用途もお好みも異なりますので、その都度あれこれ迷いながら依頼主さまのお力も借りながら無事納品することができました。
納品後にいただいた評価とコメントからはとても大きなエネルギーをいただいています。
満足していただけることが作り手にとってどんなに嬉しいことか、どんなにやりがいのあることかをその都度実感しています。
長い間デザイナーとして仕事をしてきて、クライアントに喜んでいただけた時にも仕事の醍醐味を感じてきましたが、coconalaでのサービスはビジネスで使うわけではない主に個人の方のためのイラスト作成なので、純粋に最愛のペットのイラストを楽しみにされて出来上がりを喜んでくださるそのお気持ちがより強く伝わってきます。ご依頼をお受けして良かった、気に入っていただけて良かったと思う気持ちが倍増します。

それだけ大きなもの依頼者さまからをいただけるので、できるだけ依頼しやすい価格でご提供できたらと思うのですが、現実的にはそうもいかず、この度(2023年12月から)サービスの価格を変更することにいたしました。
価格をいくらに設定するかとても悩んだのですが、サービスの作業内容・作業量・作業時間にできるだけ見合う価格にしたいと考え、9,000円という価格になりました。
詳細はこちらのcoconalaブログをご覧ください。↓

これまでの11件、”お試し価格”の3,000円だから購入していただけたのかもしれないのですが、納品後には価格以上のイラストだとみなさまに思っていただけたのではないかと自負しています。
それでも変更後は”お試し価格”よりかなり高い価格になりましたので、変更した価格にご理解をいただけるように引き続き説明をしていきたいと思っています。少しずつcoconalaブログをアップしていきます。

*こちらのサービスではプライベートでのご利用を基本としておりますが、商用利用でのペットのイラスト作成もお受けします。どうぞお気軽にご相談ください。

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ヒアリングには時間をかける 

イラスト作成のやり方も時間のかけ方も人それぞれだと思いますが、私がこちらのサービスでどんなふうにしてイラストを完成させていくのかを具体的にお話ししていきたいと思います。
これはいわば作成の裏側の話です。
今まで裏側の話はあまり詳細にお話することはありませんでしたが、サービスの価格に見合うものなのかをご理解していただくために裏側の話もしていきたいと思っています。
まずはヒアリングについての話です。

プロフィールページにも書いているように依頼者さまの望んでいるものをしっかり受け取るためには依頼者さまにしっかりお話を伺うことが必須だと考えています。そこには時間をかけます。特に作成を始める前のヒアリングをしっかりすることが大事だと思っています。

・どんなイメージのイラストをご希望なのか?
・どんな用途にお使いになるのか?
・「うちの子」らしさ、チャームポイント・性格は?

できる範囲でお写真をなるべく多く送っていただくことをお願いしていますが、お写真によって毛色も表情も印象も微妙に変わって見えます。
そのお写真からいかに「うちの子」らしいイラストを作成するのか?
お写真を元にした可愛いイラストを作成することは可能ですが、「可愛いイラスト」と「うちの子」らしいイラストはイコールではありません。「うちの子」と思っていただけるイラストを作成するには飼い主さまの手助けが必要です。飼い主さまにしかわからない「うちの子」らしさやチャームポイントを伺うしかありません。
作成途中でも飼い主さまからのご意見やご要望はとても重要です。
イラストの見え方は目の大きさや位置をちょっと変えただけでも変わります。
どの加減にするのが一番「うちの子」らしくなるかは、飼い主さまに判断していただくしかありません。
そのために作成進行中には作成の意図の説明や購入者さまへの質問をかなり細かくするようにしています。
出来上がったイラストをただ送付して、こんなイラストできました。どうですか?で終わらせることはありません。
”出来上がったイラストを見せてくれたらそれを見ていいか悪いかを決めるからもっと簡単にやり取りしてくれた方がいい”と思われる方もいるかもしれませんが、そのようなやり方でご希望のイラストに仕上げられるかというと私にはなかなか難しい。
「うちの子」らしい!と満足していただけるクオリティーの高いイラスト作成をするためには、coconalaブログでも何度も書いていますが飼い主さまとの共同作業が重要ポイントだと思っています。
ですから、気になることやご要望などは遠慮なくどんどんお伝えください。私の力が及ぶ限りはご要望にお応えできるよう修正していきます。
「依頼者としっかりやり取りして進めること」。それが私のイラスト作成のやり方です。面倒だと思わずにお付き合いいただけるとありがたいです。

元にする写真の決定には時間がかかる

ヒアリングでお伺いすることの中でまず大事なのが「元にする写真」選びに関してです。送っていただくお写真に関しては、サービスページの「購入にあたってのお願い」で以下のようにお願いしています。↓

2 ペットの写真3〜5枚
●ご用意いただくペットの写真についてのお願い 
 *複数枚あると「うちの子らしい」イラストができます。
 *ご希望の写真がある場合にはお知らせください。
 *全体が入った写真(多少切れているものはこちらで補います。)
 *できたらペットの目線の高さで撮った写真
 *ペットの特徴(色や柄など)がわかるようにはっきりした明るく画質の良い写真

今までのご依頼者さまからはどの方からも少なくとも複数枚は送っていただいています。でもその中から元にするための写真がすんなりと選べているかというと実際のところなかなか大変です。

・全身が写った写真がない。
・全身が写っていてもペットと同じ目線で撮られた写真ではない場合が多い。
・上から見下ろすアングルで撮られた写真が多いので身体の部分は小さく写っている。(パースがついている)
・脚や尻尾がぼやけていたりきちんと写っていない(尻尾や脚の一部が切れている)場合がある。
・露光が少なめの暗い写真が多く、特に濃い色の毛のペットの場合は目鼻の形がはっきりしない。
・写真によって毛色が違って写っている。
・ワンちゃんの場合はトリミングが異なると写真によって印象が違う。
・容量の小さな写真の場合は画質が粗く(鮮明でなく)元の写真にするには難しい場合が多い。

ご希望や用途によっては顔のみのイラストになる場合もありますが 注*1
こちらのサービスでは基本的には全身のイラストを作成しています。
ところが上記のような理由で、送っていただいたお写真の中からイラストの元として適している「全身が写った写真」を選ぶのはそう簡単ではありません。

そもそもイラスト作成のために写真を撮影されているわけではないと思いますので、そのままイラスト化できる写真でなくても当然です。動きのある写真が多いのも日常のペットとの瞬間が写真で切り取られているからでしょう。写真館で撮られた写真でなければ背景は単色ではないことも多く、ペットの身体の輪郭が分かりにくい場合もあることも仕方がないと思っています。

それではどうするのか?

●まず全身が写っているお写真がない場合
それでも全身のイラストをご希望の場合は、著作権フリーの素材などからご希望のポーズになりそうな画像を探し、その画像を元にしながら、そこに送っていただいお写真から受け取れるペットさまの特徴(毛の色やチャームポイントなど)を反映させて描いていきます。

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●このお写真なら何とか元にできるという場合でも、鮮明でない部分があったりデザイン化するのに形が適さない部分がある場合
不明な部分を補うために、同じようなポーズの写真を探してそれを参考にしてフォルムを作っていきます。

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以上説明してきたように、私のサービスではまず作成を始める前にヒアリングと資料収集にしっかり時間をかけています。
ここをしっかりやっておくかどうかでその後の進み方が大きく違ってきます。
おろそかにすると間違った方向に進んでしまったり、
「うちの子」らしさがなかなか出なかったり、
デザイン化した際のフォルムが良くなかったりします。
最悪の場合、別の写真を元にしてイラストを描き直すことになる場合もあり、結局余計に時間がかかってしまうので、土台をしっかり作ることはとても大事だと思っています。

元にする写真についての話は以下のcoconalaブログでも書いていますので、
よろしければ読んでみてください。↓



注*どんな場合に顔のみのイラスト作成になるかについては、「イラスト作成とサイズ・用途について」の話を別の機会に詳しくお話したいと思っていますが、アイコン用に使用する場合や5センチ以下くらいの小さなサイズでお使いになりたい場合などです。

価格変更では資料収集をサービスの内容に含めました。

作成に関してのお話から少し横道にそれますが、参考資料を探すための作業料についてのお話を少し。
全身のお写真がない場合は、参考資料を探さずに作成できる依頼者さまと作業内容が公平になるように、資料を探す作業料として500円を有料オプションでいただいておりましたが、送っていただいたお写真の中から元にする写真を選んだ場合でも、実際は上記のように参考資料が必要になることがほとんどで、資料探しにはかなりの時間を要しています。
それでは逆に作業料をいただいている方とそうでない方とで不公平になっているのではないか?
基本的には送っていただいた写真を元にしてのイラスト作成ですが、いわゆる似顔絵のように写真通りに描くのではなく、それを元にデザイン化(キャラクター化)していくので、ペットさまの種類ごとの特徴を知るために、より良い形にするために参考資料を参考にしながら作成することが必要となっています。
12月からの価格の変更後はこれまでの受注経験を踏まえて、送っていただいたお写真から元にするお写真が選べる場合でも選べない場合でも、資料収集は必要な作業としてサービスの作業内容に含めることにしました。


次回は依頼者さまへのヒアリングと作成中のやり取りについてもう少し具体的にどんなことに注意をしているかを書きたいと思います。

つづく

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