転職の応募書類。見た目は想像の10倍は大事。

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ビジネス・マーケティング
元採用マネージャーで転職コーチのさやです。転職したい方、副業を始めたい方、フリーランスになりたい方のサポートを行っています。
「転職活動を始めたいのだけど、自分の履歴書に自信がない。」
「たくさん応募しているのに書類選考が通らない。」

このようにお悩みの方は多いはず。実際に転職支援のサポートをさせていただくなかで、魅力的な応募書類を作れずに苦戦している方がたくさんいらっしゃいます。

どうして、あなたの履歴書・職務経歴書は書類選考に通らないのでしょう?

理由は大きく分けて2つ。

1.経験・スキルと求人内容が合っていない
2.しっかりアピールできる書類になっていない
いろいろと理由はありますが、つまるところ上記いずれかです。

今回は、特に2の「しっかりアピールできる書類になっていない」という問題を解決するために、最初に押さえるべき「基本のキ」をお伝えします。

それは「書類のレイアウトを整えること」です。

「え、そんなこと?」と思った皆さん。侮ってはいけません。

応募書類のレイアウトが乱れているだけで、不採用になる可能性すらあります。

せっかく素晴らしい経歴をもっているのに、ちゃんと読まれもせずに不採用になったら、残念すぎますよね。でも、現実にはそんなことがおこります。

どうしてそんなに「見た目」が大事なのか。採用の責任者として経営者や管理職とも直接やり取りし、年間で何百人もの履歴書を見てきた経験に基づいてご紹介します。ぜひ参考にしてください。

書類選考が通らない原因

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ぜひ転職活動をする方に一度考えていただきたいのは、「応募書類を見る企業側の視点」です。

みなさんが一生懸命に作成された応募書類。企業の採用担当者は、どんなふうに見ているのでしょう。

じつは、こんな流れで見ています。

1.「雑な書類だな」と思ったら即不採用
2.「何を伝えたいのかわからん」と思ったら即不採用
3.「求めてる人物と違いそう」と思ったら即不採用
4.「お!」と思うものが目に入ったらじっくり読む
5.「募集要項に合いそう!」と思ったら書類通過
ちょっと大げさかもしれませんが、こんな感じなのです。採用側の動きがわかれば、求職者が取るべき対応がわかります。

もうちょっと詳しくみてみましょう。

書面から人材像を推し量っている

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企業や職種にもよりますが、採用担当者はいつも大量の人材データを見ています。

・応募された履歴書・職務経歴書
・スカウトサービスのデータベース
・ビジネス向けSNSの投稿内容
また、実際に面接をしたり、採用以外の人事業務や広報に近い業務を担当している人もいます。

そう、採用担当者って、結構忙しい。

たくさんの書類に目を通し、ある程度目も肥えているので、1つ1つの応募書類をじっくり読むわけではないのです。つまり、じっくり読む書類とNGを出す書類を一瞬で見分けている。

まずどんなところが目に付くかというと、書類のレイアウト・体裁です。

・手書きはいいが、とにかく字が汚い
・レイアウトが崩れて読みにくい
・写真の印象がだらしない
・履歴書・職務経歴書の基本的な要件を満たしていない
こういった書類は、それだけで不採用になる可能性があります。

なぜなら、書類からその人物の人となりがある程度読み取れるからです。例えば、以下のように判断されます。

・基本的なビジネスマナーがなっていない
・ガサツで仕事の精度が低い
・PCスキルが低い
・書類を読む相手への気配りができない
・当社への志望度が高くない
・書類の重要性(≒1つ1つの仕事の目的)を理解できない
求人内容などによっては、この時点でもう不採用にしてしまうこともあります。

これは、企業や求人の求める人材像によって異なります。ただ、秘書や経理、営業事務など、正確性を求めるような仕事の場合、即アウトと考えてよいでしょう。

(一方で、ちょっと「ぶっ飛んだ人に会いたい」と思っている企業なら、レイアウトの乱れくらい気にしないかもしれません。)

とにもかくにも、応募書類の見た目のキレイさは、求職者が思っているよりも見られています。キレイというより、雑じゃない、という方が正確かもしれません。

採用担当者はココを見ている

応募書類はその人の顔。

そんな心理が実感できる、具体的なエピソードをご紹介します。

私の元上司は、世界でも有名な超・大手ITグローバルカンパニーの役員を務めた人でした。応募書類の選考をしてもらうべく、届いた履歴書を見てもらいました。きらびやかな実績を書き連ねている、中年の男性の書類です。

上司は「うーーーーん‥‥。ダメだと思うけど、一応会うか」と。

実際に一次面接でお会いすると、なんだか話の筋が見えにくい。経歴も、おそらく過剰に盛っている様子。相手を全く気にせずに一方的に自分の話をして、時間をどんどん浪費する。

一次面接は、参加者全員一致で不採用。専門性うんぬんかんぬんというより、ビジネスマンとしてNGだよね、と。

そして、上司が一言。「やっぱダメだったなぁ」と。

こんな話をしてくれました。

「どんな意図があるか知らんが、今時手書きっていうのも気になってたんだけど。それよりさ、ココ見てよ。」
それは、履歴書の中の「志望動機」の欄。最初に大きな文字で書き始めたせいで、最後は枠に収めるために無理やり小さい字を詰め込んでいました。
「こんな書類を企業に出してくるような奴が、ちゃんとしてるわけないんだよ。まず、計画性がない。自分が何を言いたいか、まとめる前に書き始めてる。何より、書き直しもせずにこのまま出してくるあたり、相手への誠意も思いやりもない。万が一…と思って会ってみたが、さっぱりだな」
人が作る文章や書類などのアウトプットは、その人の人柄を表す。そう考える面接官は少なくありません。

実際に、やっぱりその通りだったと思うエピソードは他にもたくさんあります。「私の強みは緻密さと思いやりです。」と秘書求人に応募してきた人の応募書類が、レイアウトがガタガタ、誤字脱字だらけ、なんてことも。

「書類の体裁なんて本質じゃない!大事なのは中身でしょ!」と思われる方もいるかもしれません。

でも、一事が万事。書類の体裁は中身を表しているのです。

見やすい応募書類の基本

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では、どんな書類であれば見た目で落とされることがない応募書類になるでしょうか。

大切なのは、「相手がパッと見ただけで内容がわかり、余計なことに気が逸れないですむ配慮があること」です。

具体的な方法として、以下は最低限守ってください。

・華美でなく読みやすい書体とフォントサイズ
・誤字脱字がない
・レイアウトやインデントにズレがない
・箇条書き、太字などを効果的に使用している
・文字数が多すぎない

これらはもう、本当に最低限のマナーです。ネットでフォーマットをダウンロードしてキレイな書式を使ったり、完成した書類を第三者に見てもらうことをおすすめします。

基本的なレイアウトへの気配りができて、やっと「ぜひ会いたい」と思わせる魅力的な履歴書作りがスタートします。

では、どんな風に書面だけで自分の強みをアピールするのでしょうか?それはまた、次回の記事で。


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