物心ついた頃からずっと内気で消極的な子どもだった。
幼稚園に入っても、どうふるまえばいいのかがわからない。
体が小さく食も細くお弁当を食べるのを負担に感じていた。
皆は次第に慣れて仲良くなっていくのに、わたしは何時まで経っても
慣れることはなかった。
覚えているのは
運動会のお遊戯の練習で一緒になった男の子が嫌そうだったこと
集合写真撮影時に欠席して、右上に小さく丸く写っていて、
まるで死んだ人みたいだと思ったこと
お泊り会に参加しなかったこと
楽しかったとか嬉しかった記憶はない。
明るく子どもらしい子がもてはやされるのが必然。
そうじゃないわたしは比較され、欠点ばかりを論われた。
世間の受けがいいステレオタイプとは真逆な存在の自分
心無い言動を受けるたび小さな胸を痛め、心には無数の傷ができた。
その積み重ねがわたしから表情を奪っていった。
自分の思いを言語化するのが難しくて極端に口が重かった。
思っても言葉がスッと出てこない。
二コリともしない硬く強張った能面みたいな顔。
そんなわたしを心から理解し肯定してくれる人が一人でもいたら
見せる表情がもっと違うものになっていたんじゃないかな?