職場でいじめに遭った昔の話

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夢を見た。
空間の真ん中にカウンセラーがいた。
みんながその人に話を聞いてもらいにきていた。

私はその人に
「もうあの人をいじめないで欲しい」と
泣いて訴えた。

”あの人”とは私のことだった。
けれど夢の中ではそれは他人だった。








現実にはそのカウンセラーは私にそんなことはしない。
私はその人に話を聞いてもらうようになってずいぶん元気になった。

けれど夢の中の私は
必死に他人である私を守ろうとしていた。

酷く怯えていながら
エネルギーと行動力があった。

今も心の中で
どうかあの人をいじめないでくださいと訴える私の声が悲痛に聞こえる。









私が外で働けなくなったのは十年前のことだ。
それはよくある些細なこともしれなかった。
ただ私は嫌われて冷遇された。

男の先輩が顔の前でにらんできた。
お客さんに胸を触られても黙っていた。
なんで”嫌い”って感情は集団のみんなに感染するんだろう。

渡されたマニュアル通りにやってもそれは間違いだと怒られたり
にらんだ先輩の指示通りの仕事をしたら
なんでそんな無駄なことをやってるのかと他の先輩に怒られたり

だけどそこの誰も自分が間違ってるなんて思っていなくて
私はある日糸が切れたように全く出勤できなくなった。
求人情報さえ怖くてそれから三年近く見れなくなった。








書き並べるほど些細なことで
これをいじめというのはあまりにオーバーで
本当はこのことが原因で引きこもったわけではなくて
元々私の人間を怖がる性格がそうさせたのだと思っている。

だから私はもう結構大丈夫で
十年前の”自称いじめ”も別にトラウマでも何でもなくて
だからこうやって何か活動出来ることを日々探している。









だから夢の中の”いじめられた私”は他人になってしまったんだろうか。
悲痛にその他人を庇う私はけれど一度もその姿を見ることはなかった。

私はどこかに彼女を置いてきてしまったかもしれないのか。
あまりにも悲劇のヒロインぶって見えたから。

十年前も件の先輩に似たことを言われて嫌われた。
「ぶりっこぶるな」と。

きっと私はまたぶりっこぶって
悲劇のヒロインぶってるのではないか。

自分でもわからない。

ただただ私は今も人が怖くて怖くてたまらない。
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