1日1万歩のウォーキングは現実的な目標?
1960年代、運動による健康づくりという考え方が一般に広まりつつありました。
日本では1964年の東京オリンピックの開催を控え、その準備に追われていました。
当時は肥満が問題になっており、ウォーキングは道具を調達したり、特別なトレーニングをしたりしなくても気軽にできる運動として注目されていました。
ちょうどその頃、日本では腰に装着して1日の歩数をカウントする歩数計が発売されました。この歩数計のメーカーは、「万歩計」と呼ばれていました。
「万歩計」とは、「1万歩」という語呂の良さから名付けられたもので、これが理想的な目標であるという科学的根拠は何もありませんでした。
しかし、万歩計のマーケティングは成功しました。突然、誰もが自分の歩数をカウントしたくなり、1万歩という目標が生まれました。
しかし、1万歩を目指すべきであるという説は、真実なのでしょうか?
2021年に発表された研究論文では、そうとは限らないと考えられています。
著者らは2千人以上の中高年を11年間追跡調査し、そのデータの一部として歩数を収集しました。
研究者たちは、運動は間違いなく健康上のメリットがあり、毎日アクティブに歩き続けることは健康状態の向上につながると指摘する一方で、毎日7千歩を超えるとその効果はほとんどないとしています。
ただ、こういった目標を達成している人は、早死にする可能性が50~70%低かったのです。かなり考えさせられる内容ですね。
1日の歩数が平均6千歩に達した人は、5千歩に達した人よりも健康上の成果が高く、4千歩に達した人よりもさらに成果が高いなど、さまざまなことがわかりました。
しかし、1日平均7千歩に達すると、その恩恵はそこで止まってしまうようです。
つまり、1万歩を達成するために、レジスタンストレーニングなど他の運動を犠牲にしてまで3千歩を増やすことにストレスを感じるのは、おそらく割に合わないことでしょう。
しかし、1日1万歩を達成しても他の運動をする余裕があるというのは本当にすごいことだと思いますし、やめるべきではありません。
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