熱心な広報委員ほど,内容盛りだくさん,長い文章で文字がぎっしり…
という広報紙を作りがちです。
でもそれは,こちらの思いの押し売りでしかありません。
どんなにこちらの伝えたいことを詰め込んでも,それを読んでもらえなければ
相手には伝わりません。
それって,とても勿体無いですよね。
では,「伝える」ためにはどうすればいいのでしょうか。
私の考える「伝える」ために大切なこと。
それは「読者のことを考えて作る」です。
まず表紙。
良さそうな写真を選んで,タイトル入れて小さく目次入れて終わり。
私は常々,このよくあるPTA広報紙の表紙に疑問を持っています。
表紙は,その冊子の顔ではあるけれど,主役ではないと思っています。
表紙の役割は,中にどんな内容の記事があるのかを読者に知らせ,
思わず読んでみたくなりページを捲るという動作を促すことです。
なので,表紙が「素敵な写真ね!」だけで完結してはいけません。
なのに,ほとんどの広報紙は写真を引き立てるために目次が極端に小さいか,
中には目次すらない表紙も見かけます。
それでは中に何が書かれているか全く伝わりません。
でも,作った側が一番伝えたいのは中身ですよね?
でしたら,中を読んでもらえるような表紙にしなければなりません。
配ればみんな開いて読んでくれると思ったら大間違いです。
ここで,ちょっと話はそれますが「ターゲット」について考えてみましょう。
物を作るためには「ターゲット」と「ペルソナ」を設定した方がうまくいきます。
ターゲットとは「30代〜40代の子育て中のママ」のような感じで,よく聞くので馴染みがあると思います。
ペルソナとは,簡単に言うと「具体的な人物像」みたいなイメージです。
ターゲットに多そうな架空の人物を設定します。
35歳 中2女子と小5男子を持つ母親。
フルタイムで働く。性格は神経質でせっかち。
みたいな感じです。
そして,「この人に刺さる広報紙を作ろう」と決めるわけです。
そうすると,「家事に育児に仕事に忙しくてせっかちな人は,長い文章を読む時間は取れないだろうから,さらっと見て楽しめるものにしよう」など,方向性が決まるわけです。
そこで表紙の話に戻ります。
今は共働き家庭が多く,忙しい母親の方が圧倒的に多いです。
別にほしいと言ったわけでもないのに子供が勝手に持ち帰ったPTA広報紙を,何の工夫もせずに配れば読んでもらえると思ってはいけないということが,ターゲットやペルソナを設定すると分かるんですね。
そして,人間がそれを読むかどうか決めるのにかかる時間は0.2秒と言われています。
その一瞬で,毎日忙しくて疲れてるママたちに「読みたい」と思わせる表紙を作らなければ,せっかく頑張って作っても中も開いてもらえないわけです。
まず,表紙には中の記事のタイトルを,重要度や注目してほしい度に合わせた大きさで載せます。
色やフォントは,ターゲット層が好むものを使用しとっつきやすくします。
そこに九割の力を注ぎます。写真選びはその後で大丈夫です。
早い話が,作った人間が各家庭に「これ頑張ったし面白いから是非読んで!」と言って回れるわけではないので,その役割を果たしてくれるような表紙を作りましょうということです。
表紙に載せる各ページのタイトルたちも重要です。
せっかく目立つように載せたタイトルに魅力がなければ読みたいとは思えません。
ここまで長くなったので,続きは次回にさせていただきます。