日焼け止めのジレンマ：高いSPFの効果や屋内での必要性、ビタミンDとの関係について知っていますか？

日焼け止めのSPFについて、高いSPFは本当に効果があるのか疑問に思う人が多いですよね。

私も以前はSPFの差があまり意味がないと考え、SPF15の製品を選んでいました。SPF15、30、50の遮蔽率の差はごくわずかに思えました。

FDAのデータによると、SPF15は93.3%、SPF30は96.7%、SPF50は98.0%の紫外線をカットするとされています。SPF30と50の差はわずか1.3%です。

しかし、マックス・プランク教育研究所の研究では、日焼け止めの効果を判断する際には、遮断された紫外線の量ではなく、肌に届く紫外線の量を考慮すべきだと主張しています。

この視点を応用すると、SPFの効果を見直すことができます。SPF15は6.7%、SPF30は3.3%、SPF50は2.0%の紫外線をカットしています。

つまり、SPF15と50では肌を通過する紫外線の量に大きな差があるということです。

この研究を裏付けるため、SPF50とSPF100の日焼け止めをランダムに顔の左右に塗る実験が行われました。

驚くことに、参加者のうち55.3%がSPF50を塗った側で強い日焼けを経験し、たった5%の人がSPF100を塗った側で日焼けをしたという結果が得られました。

これは、高いSPFのほうがより良い保護効果を提供する可能性があることを示唆しています。

ただし、この実験結果は最終的なものではなく、2時間ごとに日焼け止めを塗り直すという一般的なアドバイスは変わりません。

ですので、個人的には、リゾート地や日差しが強い場所に行く場合はSPF100を選びますが、現在のところSPF100を超える製品は存在しないため、SPF35〜50で十分だと言えます。

次に、屋内でも日焼け止めを使用する必要があるかどうかという問題ですが、これはより複雑な問題です。

屋内での日焼け止めの効果は、窓から入る日差しの量や窓との距離、肌の紫外線への感受性などによって異なります。これらの要素を正確に評価することは難しいです。

「The New England Journal of Medicine」に掲載された事例では、トラック運転手の顔の左右で皮膚の劣化が大きく異なることが報告されています。

このドライバーは、28年間にわたり、左側の窓から日光にさらされていたため、大きなダメージを受けていました。

これからも、屋内で窓際にいる場合は、長時間日光にさらされることが懸念されます。

ただし、室内での紫外線量を正確に評価することは難しいです。

拡散照射の割合や空の広がり、窓から離れると拡散照射が指数関数的に減少するなど、複雑な要素が絡みます。そのため、明確な答えを出すことは困難です。

一般的な目安としては、日本の平均的な窓の高さから30cm〜1m以内の場合は、日焼け止めを使用することが安全です。

窓から2〜3m離れている場合は、日焼け止めの必要性は低くなります。最終的な判断は、室内で日焼け止めを塗ることのコストや不便さを考慮しながら行う必要があります。

また、日焼け止めの成分による体への悪影響も懸念されています。日焼け止めはホルモンバランスを崩し、環境ホルモンとして作用する可能性があると言われています。

一部の研究では、日焼け止め成分が悪影響を及ぼす可能性を指摘していますが、その背景を考慮することが重要です。

これらの研究は動物実験や細胞を用いた研究が主であり、人への影響について直接的な結論を導くことはできません。

現時点では、人間への影響について大きな問題は報告されていません。副作用の可能性は否定できませんが、私個人としてはそれほど心配していません。

さらに、最近では日焼け止めの過剰使用が必要なビタミンDの生成を妨げるという議論もあります。

ビタミンDは日光が必要な生成に関与していますが、日焼け止めとビタミンDの関係は複雑です。

日光浴と心臓病の死亡率を比較したメタ分析では、日光に当たる人は長寿の傾向があると結論付けられています。

しかし、この研究では、病気のために外出できない人を考慮していない可能性があり、結果に歪みが生じる可能性があります。

日光の利益と日焼け止めを使わないことのデメリットをバランス良く考慮する必要があります。

あるRCTでは、113人の男女を対象にして行われ、ビタミンDを十分に生成するにはわずか15分の日光浴が十分であることが示されました。

また、ほとんどの人が日焼け止めを均一に塗らないため、隙間や頭皮から紫外線が入り込み、ビタミンDの合成に寄与していることも分かっています。

太陽の恩恵はある一方で、日焼け止めを使用しないことによるデメリットも存在します。

さらに、化粧品にはSPF表示がされているものもありますが、これだけでは十分な紫外線防止効果を得ることはできません。

一般的に、化粧品の配合量は必要なSPF値を達成するのに十分ではありません。SPFファンデーションは一定の紫外線をカットしてくれますが、日焼け止めが必要であることを忘れてはいけません。

また、日焼け止め以外にもUVカット効果のある服を着用することも重要です。UVカット効果のある衣類を選ぶことで、定期的な塗り直しの必要がなく、広範囲を保護し、UVBとUVAの両方、そして可視光線もブロックすることができます。

ただし、UVカット効果のある衣類では顔や手を保護するのが難しい場合や、暑い季節に重ね着するのが難しい場合もあります。

UVカットウェアを選ぶ際には、UPF（Ultraviolet Protection Factor：紫外線防御指数）を理解することが重要です。UPFは、日焼け止めのSPFと同様に、衣服が紫外線を遮断する割合を示しています。

UPFが高い生地はより高い保護効果を提供します。天然繊維では綿や麻はUPFが低く、ポリエステルはUVBを遮断する特性が高いです。また、生地の密度、厚さ、染料もUPFに影響を与えます。

以上を考慮すると、私の個人的なおすすめは、最も保護効果が高いUPF50+のラッシュガードを使用することです。

また、ユニクロの「ドライEX UVカットフルジップパーカ」や「エアリズム UVカットメッシュパーカ」もUPF40でおすすめです。さらに、UVカットマスクとして「エアリズムマスク」や「冷感マスク」もあります。

結論として、日焼け止めと紫外線防御に関する懸念や議論はありますが、バランスを取ることが重要です。

適切なSPFを選び、屋内での日焼け止めの必要性を考慮し、UVカット効果のある衣類やアクセサリーで補完しましょう。最終的には、自分自身の健康と幸福を優先し、自分に合った習慣を見つけることが重要です。