心理学のNLPというのをご存じだろうか?
Neuro Linguistic Programing(神経言語プログラミング)の略称で、別名「脳と心の取扱説 明書」とも呼ばれる最新の心理学とも言われているらしい。
「らしい」とか言いながら、その米国NLP™協会認定コーチとして普段カウンセリングがコーチングをやっているのだが、今振り返ったらあれはそういう事だったのか…と改めて思い出した話がある。
その話をする前に、少しNLPの説明をすると、人間は全て情報を五感からキャッチしており、普段よく使っている感覚や得意な感覚を「五感の優位性」と習う。
五感の優位性は人それぞれ異なるため、コミュニケーションにおいてミスマッチが起きるのは、自分の優位な五感の表現で人と話をしているときに、必ずしも相手もその五感を使っているわけではない場合が多い。
因みに、視覚優位な人は画像などを見る事で情報が理解しやすく、よく使う言葉の例には「目の前が明るくなった気がする」など視覚に関する言葉が挙げられる。
聴覚優位な人はエビデンスを見せたり、論理的な話を聞く事で情報が理解しやすく、よく使う言葉の例は「その話し方はテンポが悪い」など音に関する言葉が挙げられる。
身体感覚優位な人は実際にやってみる事で理解がしやすく、よく使う言葉の例は「そんな感じでやっておいて」といった感覚的な言葉が挙げられる。
※これは一例で個人差もあるため限定される事ではありません。
私は以前まで身体感覚がぶっちぎりに優位だったため
直観や感覚で話をする事が多く「やってみないと理解できない」傾向にあった。
以前、ある営業部門の人でぶっちぎちの聴覚優位の人がおり、会話のやり取りで「私はこう思う」と言った事に対して、その立証を求められる事が多かった。私からすると「勘」で話をしているので、立証しろと言われても分析も解析もしていないため「なんとなく・・」としか言い返せなかったのだが、いつもその営業と話をした時に「面倒な人だな。いいじゃんそんなに理詰めしなくても」と内心思っていた。
今考えれば、相手からすると「感覚」で話をされても理解できないのだから、論理的な回答をしてほしかったのだ。完全にコミュニケーションのミスマッチが起きていた。
その営業と同じプロジャクトに関わる事になった時、このコミュニケーションのミスマッチが大爆発した。
会議でプロジャクト内容の共有が終わると、聴覚優位の営業が「プロジェクトを始める前に、担当部門のリーダーを揃えないと何もできない」と言い出したのだ。そもそプロジャクトが動き出す時にしっかりとしたチーム体制など作れるリソースが会社になかったので全員が色々な部門を兼任しながら仕事をしていたので「いきなり何をいいだすんだ、この人は・・」と私の脳は「???」がずっと点滅していた。
周りも「担当部門からといっても、前からその体制でやっていないし、このプロジャクトの本格稼働が決まる前まではたったの二人で色々兼任しながらこなしてきたので今その話をする必要はないのでは?」といった声もあったのだが、頑として体制が整わないと出来ないの一点張りであった。
身体感覚ぶっちぎり子の私はあまりに長い会議(その時既に2時間超過)にイライラマックスとなり
「ごちゃごちゃ言う前にやってみたらええんちゃうんかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」と声を荒げてしまった。
そして、聴覚優位の営業から言われた一言
「結局そうやって声がデカい人が勝つんですね」
もう完全なるコミュニケーション障害(笑)
一方は身体感覚で話をし、もう一方は聴覚で話をする。
お互いがそれぞれの五感の優位性で話をしているので話は永遠平行線。
後になってから五感を鍛える事をして聴覚が上がったので、やっとその人の言っている事が理解できた。
その営業は「声がデカい人が勝つ」というのは実際の声の大きさの事を指していたわけではなく、発言に影響力を持つ人の意見が結局通ると言いたかったのだ。(当時、私は役職者だったので発言の影響力があった)
これまでのミスコミュニケーションを振り返ってみても、相手の五感の優位性が分かっておらず、私の伝え方にかなりの課題があったように思う。
「結局そうやって声がデカい人が勝つんですね」
今なら「あんた、その表現めちゃオモロいやん」って
笑えるのにな・・・(´Д`)