私たちが「痩せる食べ物」市場に激弱な理由。

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コラム
先日、長女が「ママ〜オートミールって痩せるの?」と今更ながら言ってきたので
「う~んと、繊維が入ってるから白米とかパンよりは太りにくいってことでしょ」と答えました。

私たちは痩せる食べ物という文句に敏感です。

納豆を食べて痩せる、トマトを食べて痩せる、コーヒーを飲んで痩せる、グレープフルーツの香りで痩せる、MCTオイルを使って痩せる

ネットやテレビで痩せると言われている食べ物はたくさんあります。

でもこれらにしても、オートミールにしても、
その食べ物を使用していき、痩せるかどうかは個人の食生活によります。

そして、
ケーキは太る、ラーメンは太る、ポテチは太る、ピザは太る、バターは太る

ネットやテレビで太ると言われている食べ物を挙げてみましたが、
これらも痩せると言われている食べ物と同様に、
太るかどうかは個人の食生活によります。

ちょっと考えれば分かることだと思いますが、
これを食べたら痩せるとか、これを食べたら太るとかはありません。

例えば納豆は、
植物性たんぱく質と脂質を含み、
コレステロール0食品なので悪玉LDLコレステロール値を上げない、
食物繊維を含み発酵食品で腸内環境を整える、という点において、
「現代人が求める良好な身体作りに寄与する効果が期待できる」ということで、

納豆を食べることは、
「現代人がとかく摂取しがちな成分を回避できる」
「現代人がとかく不足しがちな成分を摂取できる」
その結果として、体脂肪が減少する効果があるということなので、

納豆を毎食食べても夜にポテチを食べていれば太るし、
夜にポテチを食べていなくても、いつもの食事にプラスして毎食納豆を食べていたとしたら、摂取エネルギー過剰となり逆に太る可能性も考えられます。

また、
太ると言われているケーキの主な成分は糖質と脂質で、脂質は悪玉LDLコレステロールを含みます。
「現代人がとかく摂取しがちな成分をもれなく含み」
「現代人がとかく不足しがちで摂取したい成分が全く含まれない」
その結果として、太りやすく嫌厭されるということです。

毎食後カットケーキをティースプーン1杯食べても100kcalにも満たないでしょうから、ケーキで太ることはありません。

ケーキって言ったら、三角形のカットケーキ1個を想像するんだから、1個を基準に考えろと思われるかもしれないので、ケーキを食べて太るわけではない別の理由として、

定期的にしっかり運動している方は、カットケーキを毎日1個食べても太ることはないでしょう。

また、朝食に十分な緑黄色野菜を食べた後にカットケーキを食べ、その後ウォーキングするなど、
「血糖値を上げない食べ方」「摂取したケーキのエネルギーを消費しやすくする活動」をすれば、太ることはありません。

要は、食べる量やバランス、エネルギーの収支で痩せる太るという現象が起こるので、
これを食べたら痩せるこれを食べたら太る
ということは、ないのです。

この「痩せる食べ物」「太る食べ物」の判断は、
現代人を取り巻く慌ただしい生活などで、自炊する時間の取れない環境や、
自炊しなくても、お手頃価格でそれなりの食べ物が買えてしまう中食などが増えた食生活に照らし合わせ、

「自炊する時間がとれず中食が増えた食環境に、この食べ物を取り入れると痩せる効果が期待できる」
「自分が動くことなく食べたい物を家まで届けてくれる便利な環境で、この食べ物は追い打ちをかけるように太りやすいので危険」

というように、現代人の取り巻く食環境がベースとなって、「痩せる」「太る」が判断されているように思います。

「身体に良い食べ物」「身体に悪い食べ物」
と言われるものも同様です。

ヨーグルトが身体に良い、鯖が身体に良い、アマニ油が身体に良い

清涼飲料水が身体に悪い、ハムやウインナーなどの加工肉が身体に悪い、マーガリンに含まれるトランス脂肪酸が身体に悪い

これらの食べ物も、
「現代人が取り巻く環境の中で、求められるものが身体に良い、嫌厭されるものは身体に悪い」として判断されていますが、
実際は、個人の食生活、体質、食べる量や食べる頻度で影響は異なります。

清涼飲料水が貧困で苦しんでいる国に渡れば、水分とともに生きるために最も必要な糖質も供給できるため喜ばれるかもしれません。

ハムやウインナーなどの加工肉は、もともとヨーロッパで長期保存保存ができるようにと生まれたものです。
昔は保存料などなかったので、塩蔵品という文字の通り、強い塩味で保存させ色も悪かったことでしょうが、
食文化として、その時代には貴重な食材として命綱になったことだと思います。

今日本で出回るハムやウインナーは、製造過程に発がん性物質のある発色剤が含まれ、尚且つ塩分が多いため嫌厭され、身体に悪いと言われています。

私はまあ一応管理栄養士なので食事のプロとして、こういう発がん性物質とか気にしないといけないの?かな?とか思ったりしますが、
食品添加物とか発がん性物質とかには大雑把なところがあり、そんなに気にしていません。

今、見つけられていないだけで「発がん性物質が含まれていました」という物は実は多いと思うし、
本当は発がん性物質が含まれているけど公表していないという物もあると思っている、
というものありますが、

なんていうんでしょう。
考え方としたら痩せる太る食べ物と同じで、「これが悪い」として排除するんじゃなくて、
「食生活全体として捉えていけば良い」と思っているからだと思います。

80%自炊してバランス良い食生活を送っていれば、20%ジャンクフードを食べても大した影響にはならないように、
ハムやウインナーばっかりの食事にならない限りは、さほど影響ないように思うんですよね。危機感なさすぎますかね?

何だって混ざり合っているのが自然な状態なので、完璧は有り得ないことを思えば、
何かを排除して完璧な食生活を作ったとしても、そこでまた排除すべきものが出てくるはずですから。

本来食べ物は何らかの効果を持っているので、「◯◯だから身体に良い」は必ずあるものだし、
その裏の側面として「◯◯だから身体に悪い」もあるものです。

納豆の大豆イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと分子構造が似ていることから、エストロゲン様の作用があるとされ、
イソフラボンを摂り過ぎるとホルモンバランスを崩すことはちょっと話題になりましたし、

大豆に含まれるn6系脂肪酸を過剰に摂ると、善玉HDLコレステロールを下げてしまうので、
納豆はコレステロールゼロだからとせっせと食べたとしても、かえって裏目に出てしまうこともあります。

良いも悪いも、混ざり合っているのが当たり前なんです。

そんな私が推奨したい食生活は、いろいろな食べ物を摂ることです。

いろいろな食べ物を摂る人は認知症になりにくいというデータがありますし、
いろいろな食べ物を摂る食生活は、持続させる難易度が高いぶん、間違いなく健康に効果があると思っています。

効果としては

① 摂取する食べ物に偏りなくなることで、万が一また見つかっていない発がん性物質などを含む食べ物を口にしていたとしても、影響は少ないということ。

② 食べ物はそれぞれ様々な効果効能があるので、複数の食べ物を摂取するということは、体内で様々な効果効能が発揮されるということで、その波及力は計り知れないということ。

③ 様々なものと食べることで、単体で食べるよりも効果を発揮しやすくなるものもあり、相乗効果を期待できること。

④ 食べ物には未だ見つかっていない栄養素があると言われているので、何かしら効果のあるものをちょこちょこ食べていたということも後にあるかもしれないということ。

テレビ番組で医師や専門家や管理栄養士が「この予防には◯◯という食品が効く」と発言し盛り上がった後に、

「◯◯だけ食べていればいいということではなく、バランス良い食事を心掛けて下さい」と付け加えたりしますが、

「これが本当のところ」なんですよね。

痩せる食べ物、太るも食べ物
健康に良い食べ物、健康に悪い食べ物
そんなものは置かれている環境や食生活によるし、結局は摂り方やバランスということで、

毎食後カットケーキをティースプーン1杯食べて、それで太ることはないといった現実味がないような考え方でも、スジは通るんですよね。

現代人の健康意識は高く、そうは分かっていても、
摂り方もバランス調整も難しくてどうしたらいいか分からない、面倒くさいから、

痩せる食べ物、太るも食べ物
健康に良い食べ物、健康に悪い食べ物
この話題はなくならなくて、良い市場になるんでしょうね。


長くなりいつも以上に読みにくいですね、すみません。
それなのに、今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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