商談は、負けた時から次の商談が始まる!

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ビジネス・マーケティング
長く営業をしているといろんなことがありましたが、こういうこともありました。20年以上前の話になりますが、会合関係で親しくしていた友人の経営者 に「多少高くても御社から買うから安心してていいよ!御社から買いたいから。」とそこまで言われた知り合いの社長に、安心して部下に営業を任せた。

およそ2週間後、任せていた営業の営業から「社長、あの商談、他社のコピー機に決まったみたいです。先方の社長に今日そう言われました。」との報告がありました。

正直、いろんな経営者の集まりでも良くお会いしていた方であるし、あれだけ「高くても御社から買うから安心してていいよ!」と言われたのに、なにかこの商談おかしい?と違和感を感じつつも、先方の社長に「商談負けお礼状」を送りました。

具体的には
「今回の商談で御社が他社に発注されたとお聞きしました。恐らく当社の努力不足により**社長が他社に発注されたのだとご察し致します。次回の商談では当社もより良い条件をお出しできるよう、経営努力を重ねて参ります。また、**社長様とはいろいろな会合でお会いすることがこれからも多々あります。今回のご商談の件はお気になさらずに、これからも普通のお付き合いでよろしくお願いいたします。」

だいたいこういった内容ですが、金曜日にその手紙を投函しました。そして、翌週の月曜日の朝一番、その社長から電話がかかってきました。

内容はこういう内容でした「大変申し訳ない。今回の商談は実は知人の会社と2台セット商談だったが、私に一任されていた。でもその友人が会社を設立したばかりで今回のあなたの商品が高いとのことで、他社を呼んだみたい。そのメーカーが2台購入してくれるのなら1台は中古もあるとのことで、その友人から私自身が逆に説得させられて今回お断りの電話をしました。
でもね、今回、あなたから手紙を頂いて『やっぱり御社に決めた!』そう決めたんです。普通、商談に負けた相手に手紙を書くことはないはず。私も営業をしています。その気持ちが十分に伝わってきました。
でも友人の会社の予算もあるので、もう少し友人の会社用にグレードを落として安い機種の見積もりをもらえないか?説得するから。」とのこと。

結果、この商談は2台決定しました。あのまま商談を「負けたから仕方ない」と思っていたらこういう商談にはならなかったと思う。
「この人と生涯お付き合いをしていきたい。たかが1回の商談でこの人との人間関係がこじれるような関係にしたくない。そうだ手紙を書こう!相手も申し訳なく思っているはずだ。」そういう思いで書いた手紙。
まさか買ってもらうとは思っていなかった。

こういう商談って実は多いのではないだろうか。
相手も断りたくて断った訳では無く、こちらが知り得ないやむを得ない理由もあったに違いない。一度の商談の切れ目が一生涯の縁の切れ目にならないようにと願って書いた手紙。こういう効果があるなんで思ってもいませんでした。
これ以降私自身「商談負けレター」ということで継続しています。是非やってみてください。いろんな良いことがあると思います。

このブログは私が36年間の営業活動、営業マネージャー活動、経営者として行ってきたことの中で、実証してきたことを綴っていきたいと思っています。
営業活動は科学であり、同時に人としての感情が結果を左右する世界です。
しかしながら過去に成功した具体的なアクションがあり、それを着実に実行すると必ず成果が上がります。
そして、それを「実務として再現性があるように具体的にどう行動するか?」について綴っていきたいと思います。再現性がなければ社員はマネできませんからね。もちろん数多くの失敗談も綴っていきますね。







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