ほっとひといき300字SS:16

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300字SSを出品しているのですが、どのような300字SSを書く人かわからないと頼みづらいと思ったので、たまに自発的に書いた300字SSをブログに載せていこうと思います。
テキストだけでざっくり行きますね。

-雨の日の虚ろ-

 雨が降る夜、彼は修道院に有る部屋の窓からぼんやりと外を眺めている。雲が空を覆い隠している日は、彼の仕事である天体の観察が出来ないのだ。
 けれども、虚ろな表情をしている理由はそれだけではないのだろう。
 きっと起きているだろうと思って部屋を訪れていた私が、彼にもう寝なくて良いのかと訊ねると、眠くないと返ってきた。それから、少しだけ明るい声で彼はこう言った。
「葡萄が熟したら、また一緒に食べようね」
 私はにこりと笑って、そうですね。と返す。
 視線を窓に移し、ぼやけてよく見えない外を見る。
 窓を叩く大粒の雨が、このまま地上の全てを流してしまえば良いのに。そうしたら、きっと私たちは、またみんなで笑い合えるのだろう。

こんな感じの300字SSを書いております。
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