世の中には不思議なことがままあります。都道府県別に見た病院の数もその1つではないかと思いますが、一般的にはあまり知られていないでしょう。
厚生労働省の医療施設動態調査(平成30年2月末概数)によれば、病院の数が最も多いのは東京都で645か所、次いで北海道の557、大阪府の522と続きます。
人口の多い大都市圏と広い北海道に病院が多いということで、これについては当然すぎて不思議でもなんでもありませんね。
同じ資料から、人口10万人あたりの病院病床数というデータを見てみます。すると、高知県が2551.6で他の都道府県を引き離して圧倒的にトップです。
下位に目を転じると、神奈川県が811.4、埼玉県が856.8と首都圏が底の方に沈んでいました。
CTの徳島、MRIの高知
切り口を変えて、CTやMRIといった高額な検査機器の充実度を見てみましょう。
ちなみにCTとはComputed Tomography(コンピュータ断層撮影)の略で、人体の輪切り画像をコンピュータによって再構成する装置です。MRIはMagnetic Resonance Imagingの略で、磁気と電磁波を用いて水素原子の動きを利用し、体の断面を撮影する検査となります(国立がんセンター東病院サイトより引用)。
厚労省の医療計画の見直し等に関する検討会資料(平成28年7月)に、都道府県別のCT台数及びMRI台数(人口10万対)という図表が掲載されています。
人口あたり台数のトップ3は、CTが徳島、高知、鹿児島の3県、MRIは高知、香川、鹿児島の3県となっています。
人口比で見ると、CTやMRIは四国に多く設置されているということがわかります。特に高知はCT、MRIともにトップ3に入っています。
逆に人口比で台数が少ないのは、CTが神奈川、滋賀、千葉の3県、MRIは神奈川、埼玉、東京の1都2県でした。
さて、高知県には人口比で見て病院がたくさんあり、CTやMRIといった先端機器も充実していることがわかりました。
地域医療に関心が高い英明な指導者がいたのだろうと推測されます。
これがなぜ問題なのでしょうか?
次回に続きます。