中小企業経営のための情報発信ブログ398:これからのリモートワークのあり方

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ビジネス・マーケティング
今日もブログをご覧いただきありがとうございます。
今日は、これからのリモートワークのあり方を考えてみたいと思います。
働き方改革の一環として、更にはコロナ感染対策の一環として推奨されてきたテレワークですが、コロナ化での行動制限が解除され「テレワーク離れ」が進んでいます。
テレワークについては「最高。このような自由で効率的な働き方はない」という意見がある一方で、「『家にいる奴は本当に仕事しているのか。出社した方が生産性が高いのに』といった愚痴や不満がある」「デスクに向かっている姿を目視しないと『働いている』とみなさない上司がいる」などの声も上がっています。また、「テレワークはさぼれる」ということも言われます。しかし、出社の場合、行って机に向かっているだけで最低限の評価は得られますが、テレワークは成果でしか仕事ぶりを表せないのでシビアなのです。
コロナ禍で行動制限が解除されると「テレワーク離れ」が進んでいます。その背景には『自粛疲れ』「コロナ慣れ」もありますが、それよりも「出社した人が偉い」「残業する人が偉い」という旧態依然とした日本企業の社内風土に原因があるようです。
これまでもリモートワーク・テレワークのメリットを書いてきましたが、日本において、なかなかテレワーク・リモートワークが浸透していきません。コロナ禍でやむを得ずテレワークを導入しているといったところです。しかし、そうは言っても新しい働き方改革の一環であり、完全に対面型に戻ることはなさそうです。以前にも書いたテレワークとオフィスワークとを両立させたハイブリッド型が進んでいくように思います。
オフィスワークとリモートワークを両立させるということからすれば、リモートワークの活用の仕方を考える必要があります。リモートワークはリーダーを目指す人にとっての追い風になるように思います。
1.リモートワークは個人活動に向いている
 リモートワークの最大のメリットは、一人で行う作業に向いているということです。雑音に邪魔されることなく集中できるというわけです。しかし、これもどのようなリモート環境があるかによって違ってきます。少なくともワークスペースがあり家族やほかの人に邪魔されない環境が最低限必要です。
 日本におけるマネージャーの大半は個人としてのプレーヤー活動が主であり、その意味ではリモートワークに適しているようにも見えます。しかし、実際には、リモートワークによってコミュニケーションが取りづらくなった、人事評価がしづらくなった、部下が何をしているのか見えないといった不満が出てきています。
2.リモートワークを阻害するのはプレイングマネージャー
 前述のように、リモートワークには、部下が何をしているか見えない、コミュニケーションが取りづらいといった不満が聞かれますが、リモートワークで生産性を伸ばした多くの企業が存在します。
 リモートワークで伸びている企業の特徴として次の2つを挙げられます。
Ⅰ:一人一人がやるべき業務が決まっている
 Ⅱ:業務の計画やスケジュール管理がはっきりしている
 逆にリモートワークで生産性が落ちた企業は、その時々のニーズに応じて業務分担を柔軟に組み替え、スケジュールについても臨機応変に対応することが求められている企業です。柔軟な業務のやり方や臨機応変なスケジュール・対応がリモートワークにはマイナスであるというのは意外な気もします。
 このことから分かるように、リモートワークというのは、きっちりとした仕組みを作ってそれに基づいて運用していかないと成果を上げることができないということです。
3.リモートワークをきっかけにマネジメントスタイルを変えてみる
 業務分担を明確にせず、柔軟性や臨機応変さを重視するマネジメントスタイルは、組織としての力を高めます。このようなマネジメントスタイルでは、仕事を早く終えた人が他の人を手伝い、スケジュールを前倒しにして新しい仕事に着手することもできますし、仮にトラブルが発生しても一丸となって対応できます。しかし、こうしたマネジメントスタイルはメリットだけではありません。上司と部下の仕事の境界線があいまいになりますし、業務目標が高くなるとか各人の仕事量も増えてきます。「みんなの力で目標を達成しよう」という精神論に重きが置かれるようになってしまいます。
 一丸となるよりも個人の業務をはっきりとさせ、柔軟ではないけれども計画と期日をしっかり守るマネジメントスタイルに変えることで、経営層やプレイングマネジャーの意識も変えられます。そのきっかけがリモートワークなのです。
4.リモートワークはむしろ育成と組織業績達成に向いている
 リモートワークをしっかり進めるためには、前述のように、①一人一人がやるべき業務が決まっている ②業務の計画やスケジュール管理がはっきりしている という2つの条件が必要です。
 一人一人のやるべき業務を明確に定めることで、自律的な努力が可能になり、そこで得られた知識や経験が個人の成長につながります。自律的な業務を進めるうえで困難なことがあったとしても、計画がはっきりしていれば、いつ誰に何を確認すればよいかがわかります。これらは部下育成とそれに伴う組織業務達成の行動を促すきっかけになるのです。
 しかし、組織の業務、仕事というものは、杓子定規に定められるものではありませんし、計画・スケジュールを立てたとしても計画通りに進むものでもありません。時に状況に応じて臨機応変に柔軟に取り組まないといけないことも多いのです。
 いずれにせよ2つのマネジメントスタイルにはそれぞれメリット・デメリットがあって一長一短です。それらのメリットを上手く活かしながらデメリットを極力押さえるように両者をバランスよく使うというのが最もいいのです。この意味ではテレワークとオフィスワークを両立させたハイブリッド型がいいのです。
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