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コロナ禍の影響を受けて、大なり小なり、すべての企業は生き残りをかけた戦いに挑んでいます。そして、コロナ禍で社会の変化に合わせて自社の生き残り戦略も変容させていかなければならない岐路に立たされています。
コロナ前から働き方改革が叫ばれていましたが、コロナ禍で急速に働き方のスタイルが変化し、業務の在り方を見直し業務改善を模索しなければならなくなりました。
そうした中で、Web会議が頻繁に開かれ、さまざまなアイデアが出されてきます。アイデア社長が突拍子もないアイデアを出して強引に進めていくというのは論外ですが、多くの社員から色々なアイデアや意見が出ることは良いことです。しかし、問題は、アイデアや意見は出るもののそれを実行に移すことなく放置し会議だけで終わってしまうということです。どこから手を付けるか、誰を巻き込むかと考えているうちに時間が経ち億劫になって、気が付けば「何もしないで元の通常営業」に戻っているということになっています。
会議で出たアイデアを素早く実行に移すためのコツ、「やりっぱなし」への対策はどうすればいいのでしょうか。
1.即実行・即実践でアイデアを整理する。
アイデアを出し合い議論だけで終わってしまうような会議は問題です。出てきたァイデアを整理して、具体的にどのようなことに取り組んでいくのか膨らんだアイデアを収束させていく必要があるのです。つまり、会議で出てきた不満や問題点、アイデアを実際の行動に結びつけていくために整理することが大切になります。
この場合重要になるのがアイデアの粒度です。出てきたアイデアや問題点、改善点を粒の大きさに見立て分けていくのです。アイデアや問題点・改善点で言えば次のように「大」「中」「小」に分けることが出来ます。
【大】「基幹システムを導入する」「パートを雇う」
【中】「マニュアルが色々な場所にあるので読む気がしない」
【小】「同部署内のメールに『お疲れさま』などと丁寧語を入れるのは無駄」
これらに対して「これは、即実行・即実践できることかな?」と問いかけてみるというのです。【小】の改善点ならばすぐに実行できそうです。これを1週間続けてみる、そして次回の会議でどうするかを再び考えて業務改善を進めていくというわけです。
業務改善と言っても何も大袈裟なことを考えて実行する必要はありません。身近なところから、社員のだれもが改善した方がよいと思っている些細なことから順次取り組んでいけばよいのです。その意味で、アイデアの粒度というか、順位付けは必要です。
2.実行することの「決め方」を決める
先ほどの【大】や【中】などで「即実行・即実践」できないアイデアは放置しておいていいのかと言うと、そういうわけにはいきません。これらも問題点・改善点、アイデアとして出てくる以上社員が困っていたり改善の必要を感じたりしている内容なのです。それを放置していたのでは真の業務改善にはなりません。
これらは「即実行・即実践」というわけにはいきませんが、「何から実行すればいいか」という決め方(スケジュール)を決めることが重要になります。予め決め方を決めておくことで、声の大きい人や上司の独断で実行する施策が決まってしまうということが避けられますし、なぜこのプロジェクトを行っているか説明が出来ます。
決め方については各社各様ですが、コスト、巻き込む範囲、ベネフィット、期間に絞って点数付けを行って評価するのがよいといわれます。ただ、点数によって評価するというアイデアは良いのですが、誰が点数を付けるのか、点数に主観が入らないかが重要になってくるように思います。
コスト・・・その施策を実現するためにかかるコストや工数。【3点】費用が不要の施策 【2点】来期予算内の計上が必要な施策 【1点】新たに予算を取り承認が必要な施策
巻き込む範囲・・・ステークホルダーが多くなればなるほど複雑化し難易度が増す。【3点】自部門の周知や教育だけで完結 【2点】他部署や全社的に衆知や教育、協力の依頼が必要 【1点】顧客や取引先など社外への周知や協力の依頼が必要
ベネフィット・・・プロジェクトのゴールにその施策があっているかを測定するための項目・効率化 【3点】廃止(なくす) 【2点】削減(減らす) 【1点】変更(変える)
期間・・・長期間要するものか短期間で実行できるものか 【3点】今月中 【2点】上期中 【1点】来期
こうした方法で点数付けして、点数の高いものから実行・実践を検討することになるのですが、「点数が高いものが優先順位が高い」逆に「点数が低いものが優先順位が低い」と言い切れない場合があることに注意が必要です。自社が業務改善することによって真に実現したい目的は何かを常に念頭において、その目的達成のためのアイデアとして何が適切かを検討することが重要です。
3.アイデアに期日を入れ、一覧にする
それぞれのアイデアに期日を決め、誰がいつまでに進めるのかを一覧で可視化します。これは誰でもが見ることが出来るように共有化することで、どのようなアイデアが現場から出て、何が実行されているのか、いつまでに実行されるのかを理解できるようになります。
このようにして、出てきたアイデアを整理して順位付けし、しっかりとスケジュールに落とし込むことが出来れば、確実に実行でき、効果の実感できる業務改善活動になっているはずです。
業務改革を難しく考える必要はなく、身近なところから自社に合った取り組みを進めていけばいいだけです。会議を開き議論だけして放置するよりは断然マシです。