中小企業経営のための情報発信ブログ263:リーダーの言葉が企業文化を創る

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ビジネス・マーケティング
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組織の価値観は、そのメンバーが使う言葉によって形づくられています。さまざまな事象は人が対話を通して頭の中でつくり上げています。これは、会社や組織でも同じです。組織文化については、以前にも書いていますが、その集団の人たちが、自分たちが考えたことや感じたことを言葉にし、伝え合うことで、組織の中に浸透し形づくられるものです。最初は一人(経営者)の考えかも知れませんが、それを聞いた人(従業員)がそれを信じ、また別の人に伝え、それが順次広がって、やがて組織の共通の考え方や価値観として認知されていくのです。
1.ネガティブな言葉も企業文化をつくる
 人々はお互いの言葉のやりとりである対話・コミュニケーションを通して、あらゆる事象や行為に「意味」を作っていきます。この「意味」というのは、話し手と聞き手の相互作用の結果です。言葉が世界を作っているのです。
 コミュニティの価値観や文化は、そこに所属している人たちが日常使っている言葉や感情と密接に関係しています。会社や組織も、その構成員が日常的に使っている言葉と密接にリンクしているのです。
 日常的にネガティブな言葉や諦めの言葉を使っている会社や組織では、それが企業文化・組織文化となってしまっています。
 「どうせうちに会社は、新しいことを受け入れない」「上司に提案をしてもどうせ無駄」「頑張っても報われない、馬鹿を見るだけ」などといった言葉が社内に飛び交っているようなら、それがその会社の企業文化となってしまっているのです。新しいことに取り組むことや一生懸命やっても結局報われないという誰かの体験が言葉になり、伝えられ、新入社員や中途採用者にまでも、「うちの会社はこういうところ」と思い込むのです。こんな会社でモチベーションが上がるはずはありません。
2.まずはリーダーから使う言葉を変えよ
 以前にも、リーダーが使う言葉の重要性については指摘しています。部下のやる気を削ぐのは、上司・リーダーの言葉が原因であることが多いのです。余計な一言が信頼関係を失わせることにもなります。上司やリーダーは日頃から使う言葉に細心の注意を向けなければなりません。
 既にネガティブな言葉や諦めの言葉が企業文化を形成しているのであれば、なぜそのような企業文化がつくられたのかを根本から検討しなければなりません。「火のないところに煙は立たぬ」ということわざがあるように、全く根も葉もないところから企業文化がつくられることはありません。
 以前の上司の口癖である「うちの会社の体質は古い」という言葉が、それを聞いた部下が「新しいことは受けいられない」と思い込んで、それが伝わり、企業文化にまでなってしまったかも知れません。「うちの職場は終わっている」という誰かの発言が「ダメな職場」というレッテルを貼り、それが浸透しただけかも知れません。
 勘違いや過去の話、一度だけの事例が一人歩きしてネガティブな言葉や諦めの言葉となって伝えられ、負のスパイラルに陥っているということも十分に考えられます。
 しかし、勘違いによって形づくられたものであっても、いったん創られた企業文化を変えることは極めて困難です。根気よく社員・メンバーの認知を変えていかなければなりません。その認知を変える際に重要な武器になるのが、リーダーの言葉です。過去のリーダーの言葉が、いまの企業文化を創っているのですから、いまのリーダーの言葉で過去に創られた企業文化を作り替えるしかないのです。リーダーがネガティブな言葉を使う職場より、ポジティブで前向きな言葉を使う職場の方が、メンバーのモチベーションは高まります。当然のことです。リーダーがポジティブで前向きな言葉を使えば、それを聞いたメンバーのモチベーションは高まり、モチベーションは伝播するので、社内全体のモチベーションが高まり生産性向上にも繋がります。
 自分が本当にポジティブな言葉を使っているかチェックしてみてください。ネガティブな言葉を使っているようなら、意識を変えてポジティブな言葉を使うようにしてください。意識的にポジティブな言葉を使うようになると、徐々に風通しの良い職場、上司を信頼する一体感のある組織に変わっていきます。
 メンバーはリーダーが使う言葉を通して、自社を知覚し判断しています。リーダーの言葉には、メンバーが会社に抱くイメージを左右する力があります。このことを頭に入れて、ポジティブで前向きな言葉を選んで使うことです。
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