中小企業経営のための情報発信ブログ120:モチベーションは幻想?

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ビジネス・マーケティング
今日もブログをご覧いただきありがとうございます。
これまでにも、部下のモチベーションを高めるにはどうすればいいのか、について書いていますが、「モチベーションは幻想であり高める必要はない」という意見もあります。
今本当に求められているのは、「部下を厳しく『管理』することなく、それでも『圧倒的な成果』を上げ続けること」です。そのためにリーダーはどうすべきかということです。
1.「モチベーション幻想」に縛られない
 「やる気がない」「本気が見えない」「言われたことしかしない」リーダーにはいろいろな悩みがあります。こうした悩みを解決しようとするとき、「どうやってモチベーションを高めればいいか」と考えがちです。つまり、リーダーは、メンバー(部下)のモチベーションを高めればあらゆる悩みは解決すると考えてしまいがちです。これは多くのリーダーがとらわれている「幻想」だといってもいいでしょう。
 確かに、モチベーションを高めれば必ず成果が上がるということはありません。モチベーションが高くても成果を出せない人もいますし、モチベーションが低くても成果を出している人もいます。一概に誰でもモチベーションを高めれば成果を出すとは言い切れないのです。
 しかし、多くの人はモチベーションを高めれば成果を上げますし、チーム全体で見た場合、モチベーションを上げれば個々人の成果にはばらつきが出てもチーム全体の成果は上がります。
「モチベーションは幻想」と言う意見もありますが、そうとは言い切れないのではないかと思います。だからこそ、これまでも多くの学者がモチベーションを高めるにはどうしたらいいのかを考え、様々なモチベーション理論が展開されているのです。
2.真面目なリーダーほど「やる気低下」を気にする
 人というのは、時が経つにつれてモチベーションは下がるものです。入社早々は気概に満ちてやる気満々で仕事に取り組んでいても、数年経つと要領を覚え気を抜きやる気が低下します。メンバーが要領よく仕事をこなしていると、真面目なリーダーは「モチベーションが下がっている」と判断し、気にするようになります。そして、「部下のモチベーションを高めるにはどうすればいいか」と悩みはじめます。
 真面目なリーダーほど「部下のモチベーションを高めることがリーダーの仕事」と考えています。部下のモチベーションを高めるために、𠮟咤激励したり、あえて難しい課題を与えてチャレンジ精神に火を付けたり、賞与・昇給・昇進などのアメをちらつかせたりとありとあらゆる手段でモチベーションを高めようとします。
 しかし、こうしたやり方はもはや上手くいかなくなりつつあります。その理由として、熱量の低い部下への働きかけが、ハラスメント回避やリモートワーク、VUCAといった環境変化の結果、ある種の機能不全に陥っているからだという人もいます。
 果たしてそうでしょうか。ハラスメントやリモートワーク、VUCAといった環境変化がモチベーションと直接関係しているものではありません。上司が部下のモチベーションを高めようとすることがハラスメントになるわけではありませんし、リモートワークや環境変化でもモチベーションを高めることは可能です。こうした問題・課題があったとしてもモチベーションを高めることはできますし、それによって成果を上げることはできるのです。
 モチベーションは、具体的でチャレンジングな目標設定と恒常的なフィードバックで、人為的に高められるものなのです。そしてそのためにリーダーの役割は大きいのです。
 部下の育成方法についてはこれまで何度か書いていますが、「認めて、任せて、褒める」が基本です。部下は上司から褒められ場合、認められた・信頼されていると感じ、モチベーションは自然と高まります。しかし、その前提にあるのは、あくまでも部下との信頼関係・人間関係です。信頼関係がないのに小手先だけでモチベーションを高めようとしても上手くいくはずはありません。
 まずは、コミュニケーションを通じてより良い人間関係・信頼関係を築き上げることです。部下のことを心底思い、部下の心に響く言葉をかけることです。「褒める」時だけでなく「叱る」ときも同じです。
 部下のモチベーションを高めることがリーダーの仕事ではありません。
 リーダーの仕事は部下を成長させることです。部下を「認めて、任せて、褒める」こと、心底部下のことを思い、言葉を心に響かせるならば、部下は素直にその言葉に従い、期待に応えようと、自己を成長させようとモチベーションを高めていくでしょう。

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