アイアンシャフトインプレッション 〜KBS tour〜

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さて。今回は「KBSツアー」です。

純正としてはほとんどラインナップされてないのであまり馴染みはないと思いますが、せっかくなのでインプレッションしておきます。最近はスリクソンZ-FORGEDⅡでは純正採用されましたね。

KBSはもともとライフル・プロジェクトXを開発した人が立ち上げたシャフトメーカー、FSTのシャフトです。

KBSという名前のシャフトラインナップは多岐にわたり、今回紹介するKBSツアーに始まりc-taper、TOUR-V、105、90、c-taper90などなどがあります。


あくまで今回ご紹介するのは「KBSツアー」の「120S」となります。他のものとは挙動が全く違ったりするのでご注意を。



KBSツアーですが、端的に言ってしまえば「手元と先がしなるダブルキック系のシャフト」です。
手元のキックポイントはダイナミックゴールドよりさらに元がしなります。感覚的にはグリップの中あたりにしなる感覚があるくらい元です。
そこから急に中間部分が硬くなり、先中あたりにもう一つキックポイントがある感じですね。
よくKBSツアーは「プロジェクトXと設計者が同じだけあって弾くライフル系のシャフト」と言われますが、おそらくこれは中間部分の硬さを感じ取りやすいからだと思われます。個人的にはむしろ手元のしなり感はダイナミックゴールドに近く、それでいて中間部が硬いためダイナミックゴールドのように極端に粘ることはなく、先端もしなってくれるのでボールを拾いやすく打ち出し角も上げやすいシャフトです。

おそらくですが、手元がしなる感じがするのは手元にキックポイントがあるというよりは中間部分が極端に硬いため手元が柔らかく感じる、のだと思います。とはいえ、ダイナミックゴールドより手元が硬い、という感じもしませんが。

重量的には充分に重量級に入るシャフトなので、ある程度のパワーはあるけどダイナミックゴールドより打ち出しがすこし欲しい、という人向けです。ヘッドとしても深・長重心のモデルの方がマッチします。

向かないのはアイアンは打ち込んでいくもんだ!というダウンブロー派や、フェース開閉の大きいタイプのスイングでは先端のやわらかさが頼りなさともつながってしまい気になるでしょう。

インパクトで合わせる所謂パンチャーよりも、インパクトをゾーンにしてサラッと振っていけるスインガー向けのアイアンシャフトです。

さらに言うと、インパクトでロフトが比較的増える方向で動きやすいためハンドファーストでインパクトできない、手首がフリップするタイプの人は打ち出し角が上がる上にスピンが増えるため、球が高くなりすぎる傾向もあります。


いいシャフトなのですが、ぶっちゃけインパクトが不安定な人向けとは言い難いです。このシャフトをうまく使えるのは

・静かに切り返してインサイドからシャローなプレーンを作ることができて
・フェースローテーションが少なく
・ハンドファーストにロフトを殺したインパクトを安定して作れる

プレーヤーということになります。



じつはこの「KBSツアー」に関してはプロの使用率も結構低いです。プロは上記のポイントは大抵クリアしてるのですが、プレッシャー下においてハンドアクションが入ってしまった時に動きすぎるのを警戒してるのではないでしょうか。「KBS tour」より先端の硬い「c-taper」使用者が多いのはそういった点がある気がします。

重量帯ラインナップも豊富ですが、90、80グラム台で同様の特性が出せているのならば女子プロなんかには流行りそうなシャフトですね。

……まあ、この辺の重量帯は他にライバルも多すぎるのでなかなか手に取ってもらえんでしょーが。同系統のシャフトとしてN.S PROのneoシリーズが出てますし、たいていはそっち行っちゃうんじゃないでしょうか。いいシャフトなんですけどね。

ただ、最近は打ち出し角を上げて低スピンのボールで「高さで止める」という傾向が強くなっているのも事実。打ち出し角を上げたいパワーのある方などにとっては唯一無二のシャフトになる可能性は十分あります。

以前に使った時はこの「高弾道低スピン」に違和感があって使用停止しましたが、うまく武器にできれば少し違うゴルフができそうな可能性を感じさせてくれるシャフトですね。


ドライバーのシャフトで言えば古いものですがフブキK、ディアマナRFなどがマッチすると思います。ダブルキック系のシャフトですね。

手元は少し硬さを感じますが、最近だとTOUR AD CQや、スピーダーNXブラックなどとも相性は良いと思いますよ。
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