今流行りの私人逮捕とその危険性(続き)

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昨日の続きです。

実際に行き過ぎだと思われる「事件」がすでに数件起きています。

たとえば、「ダメだよ転売しちゃ」とのタイトルが付けられた動画では、人気アイドルグループのコンサートチケットを転売したという男性を取り押さえる様子が公開されています。

男性は羽交い締めされ、地面に押さえつけられた後、警察に引き渡されています。

もうこれは暴力ですね。

私人逮捕された男性は訴えることができるんじゃないかな。

また、痴漢や盗撮犯を私人逮捕し、警察に突き出している別のYouTuberは、逮捕された男性にも、被害者とされた女性にも否定され、引くに引けず駅員に手を出して、逆に連行されるなどといった騒ぎを起こしています。

これらのYou Tuberの動画は、再生数が数万回を超えるものもあり、「もっとやるべき」「正義の鉄槌を与えてくれてすっきりする」といった意見もあります。

しかし、一方では「正義感を振りかざした暴力に見える」「人違いだったらどうするのか」と批判も上がっています。

ついでに書いておくと、上記の駅員に連行されたYouTuberの場合、その行動のために電車が遅延していますが、これはもう迷惑でしかないでしょう。

さらに最近では、駅や街角を見回って、不審な動きをする人物を見つけ出し、私人逮捕する例も見られます。

なんでも3時間以上駅に留まるのはおかしいし、今までの経験から何か怪しい意図があるに決まってるとのことです。

街でも、女性を何となく眺めているだけで、「何で通りすがりの女の子見てるんですか」「一般女性が見たらキモいなって思うと思わないですか」と声をかけるそうです。

彼らは、男性が女性につきまとう動きをしていたと主張します。

そして、カメラの前で謝罪させたり、交番に連れて行ったり。

男性の顔にモザイクがかけてありますが、字幕には「容疑者」とありました。

さらに別のYouTuberは「3時間以上、駅周辺を徘徊している人は問答無用で警察に引き渡します」として男性を取り囲み、交番まで連れていく様子を撮影した動画を上げています。

もう、駅で時間を潰すことも、街角で人の流れをぼーと見ることもできなくなりそうです。

You Tuberとしても活躍するある弁護士は「例えば寝技で押さえ込む行為は首や腰の捻挫につながり、逮捕する正当な理由がなければ傷害罪となる可能性もある。逮捕の要件があるかどうかは高度な判断が必要となる」と懸念を述べていますが、すでに書いたようにこうした行為は必ず過激化します。

焦るあまり対象になった人物に暴力を振るったり、また抵抗されてケンカになり、怪我を負わせるといった事態が予想されます。

また、今のところは見られないようですが、自衛または逮捕のためと称して、武器を所持する可能性もあります。

そのうち目を付けた人物に対する持ち物検査も始めるんじゃないかな。

どうもこうした私人逮捕をする人は自分を「仕掛け人」みたいに考えているようです。

しかし、彼らは正義を気取っていますが、結局は再生回数を上げるため、つまりお金が目的なのです。

しかも彼らが扱えるのは大した罪ではありません。

こうした行動は流行りですから、一時的に過熱するでしょうが、恐らく誤認逮捕され暴行を加えられた人から訴えられて、一気に下火になるでしょう。

ところで、ついでに書いておくと信号無視なんかでは、私人逮捕しても警察が相手にしてくれないそうですから、今度一発やってやろうなんて思っている人は考え直してくださいね。

では

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