寝たきりになった時への備え

記事
コラム
ネットで次のような人生相談を見つけました。

夫とは死別、私自身も脳卒中を患い半身麻痺の後遺症が残りました。それまでは家事を切り盛りし、一家の主婦として家族に頼られる存在だったのに、一転して家族に迷惑をかける足手まといな存在になってしまったのです。私の世話をするために家族の人生も狂わせてしまったという罪悪感でいっぱいです。なぜ私は生かされているのか、自分の存在理由が見つからないのですが、これからどんな心づもりで生きていけばよいのでしょうか。

以下が40代の女性相談員による回答です。

「足手まとい」な存在になってしまった59歳の専業主婦。夫との死別、そして自身の脳卒中による半身麻痺の後遺症に苦しんでいます。これまで一家の主婦として家族に頼られていた彼女が、突然の変化により自分の存在理由を見失ってしまったというのは、どれほど辛いことでしょう。

日本の文化には「他者に迷惑をかけてはいけない」という価値観が根付いています。この考え方は、多くの場面で善意から生まれており、一体感や連帯感を育むことに一役買ってきました。しかし、同時に個人の苦悩や心の内に潜む罪悪感を抱える場面も少なくありません。彼女のように病に倒れたり、老齢によって身体的な制約を抱えることで、自分自身が家族に迷惑をかけることに対して強い罪悪感を抱くことがあるのです。

こうした考え方は、日本の文化的背景に根差しているだけでなく、米作地域の集団主義的傾向が高いという調査結果からも垣間見えます。麦作地域よりも多くの工程が必要な米作地域では、集団の協力が不可欠であり、その結果として他者とのつながりや協力関係が重視されてきたのでしょう。

他者に迷惑をかけずに生きることは大切なことですが、それだけが人間関係や社会生活において重要な要素ではありません。実際、他者のために行動することが相手の生活の質(QOL)を向上させるという研究結果もあります。例えば、病院で行われた実験では、花の水やりをすることで患者の回復に良い影響があったという報告があります。他者のために尽くすことは、相手の心に喜びと充実感をもたらし、相手とのつながりや信頼を深めるのです。

彼女が自分の存在理由を見つけるためには、自らの状況を受け入れつつ、他者との関わりを大切にすることが必要です。家族に迷惑をかけてしまったという罪悪感を抱える一方で、彼女が他者のためにしていることが、相手にとって大切なつながりや肯定を与えているという事実を理解することが重要です。

もちろん、自分の状況や感情を無視して他者のためだけに生きることは過度な犠牲を強いることになります。自己のケアや心のゆとりを持つことも大切です。しかし、他者とのつながりを大切にし、頼ることも許容しながら、自分ができる範囲で役立つことを見つけることが、彼女の生きる道を開く鍵となるでしょう。

彼女の場合、足手まといな存在になってしまったことを苦にしているかもしれませんが、家族が彼女の世話をすることで何かしらの喜びや充実感を感じている可能性もあります。彼女が受け取るだけでなく、家族にとっても役立つ存在であることを自覚することが大切です。

他者に頼ることや世話を受けることは、人間の社会性の基盤となる重要な要素です。他者に支えられることで、人は成長し、共に生きる意義や喜びを見出すことができるのです。それは日本人の向社会性にとどまらず、人間としての本能的な部分でもあるのかもしれません。

彼女が抱える苦悩や焦燥感は決して無視されるべきではありません。しかし、それと同時に、他者とのつながりや相手の喜びを感じることを通して、彼女自身の新たな存在理由を見つけることができるかもしれません。

日本の文化や社会性、他者への配慮といったテーマは、私たちにとっても考えるべき重要な問題です。自己を見つめ直す機会として、彼女の体験から学び取ることができることでしょう。

最後に、彼女が自らの存在に対して前向きな気持ちを持つことができるよう、周囲のサポートや理解が必要です。家族や友人、専門家の支援を受けながら、彼女が新たな人生の第一歩を踏み出せるよう願っています。

・以下が私の意見です。

なんというか、この回答はきれいごとですね。

ただ、こういった考え方をしないと何らかの事情で家族の世話や介護に頼らざるをえなくなった人たちが気持ちに整理がつけられないことも事実でしょう。

私なんかも決して他人事ではありません。

年齢から考えるといつ何どき倒れて寝たきりになってもおかしくないですからね。

ただ、私の個人的な考えをいわせていただくと、私のような年寄の世話をするために若い人が人生を無駄にすることはないと本気で考えています。

まあ、私には面倒を見てくれるような人間が周りにいませんから、専門サービスに頼るしかないんですが。

いずれにして、ある一定の年齢の人間は、常にそうした事態に備え、家族への負担をできる限り減らせるように考えておくべきでしょう。

では


サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す