テレビを見ていると農家の人たちがいろいろな野菜の美味しい食べ方を紹介していました。
これがなかなかおもしろい。
大抵、そのまま丸ごと焼くのが一番だと言うんです。
ピーマンも切らずにそのまま焼く。
これはある意味では料理に対するアンチテーゼですよね。
そのままの方が手をかけるよりも美味しい。
では、数種類の野菜を煮たり、炒めるのは素材の味を殺しているだけなのだろうか。
新鮮でなくなった野菜の処理法と考えるべきか。
これに対して、ものによっては、完熟させたり、寝かせた方が美味しいと言う正反対のものがあることも興味深かったですね。
たとえば、ピーマンは完熟させると緑色から赤色になり(パプリカではありませんよ)、ずっと甘みが増すそうです。
じゃがいもなんか1年寝かせた方が断然美味しいとのこと。
ただ、流通上の問題で一般消費者にはなかなか手が届かないようですが。
そういえば、農家の友人が「一番美味い米は自分たちで食べるから、一般の人は本当の米の味を知らないんだ」と言っていたことを思い出します。
なんか腹が立つなあ。
話は変わりますが、最近は超熟成(といってもパンではありません。普通考えるよりも長い期間の熟成のことです)が注目されているようです。
たとえば、魚なんかなんでもかんでも新鮮なもののほうが良いなんて言っていましたが、実は締めてすぐのものは固すぎることが多いんですね。
種類にもよりますが、1日くらい置いたほうが美味しいそうです。
当然、生け簀なんかで泳いでいた魚をすぐに刺身にしたものなんか問題外。
さらには、熟成鮨といってネタを2〜3週間寝かせる店もあるそうです。
それから肉も元々、1〜2週間ほど寝かせてから販売されていますが、これも40日から60日も熟成させるところが出てきました。
実は、この超熟成と言うのは、フランスでは昔からジビエ(野生の鳥獣の肉)に行われている方法で、特に雉なんか腐る寸前まで待ちます。
パリの肉屋の店先で良く見る鳥がぶら下がっている図はこれが多いですね。
料理も日進月歩で、日々新しい調理方法が生まれてくるわけですが、こうしたものは少なくとも最初のうちは高いことが多いので、なかなか一般庶民の手に届かなかったりします。
私も熟成させたジビエは食べたことがありますが、熟成させたジャガイモ、魚、肉は食べたことがありません。
早く手が届くようにならないかなあ。
では。