「事故に会ったらどうする」との質問に「今会っていないから大丈夫」と答える人間と付き合えますか?
記事
コラム
元朝日新聞記者伊藤千尋氏が、以下のような主張をしています。
-5月はあちこちで平和と憲法9条の講演をしてきました。気になったのは、講演会の主催者自身が心に抱いている不安です。ロシアのウクライナ侵攻以来、「日本が攻められたらどうする?」と言われて反論できないでいる・・・という方が、護憲を主張する中にもかなりいらっしゃいます。立ち止まって冷静に考えましょう。この問いは誘導尋問ですよ。
いいですか?「攻められたら」と言われると、人間はとっさに今、具体的に攻められている状況を想定します。「逃げる」「非暴力での抵抗」という選択もありますが、すぐに思い浮かぶのは「戦う」姿です。すると「戦うには武器が必要だ」となり、「そのためには今から戦の準備をしなければならない」と思ってしまう。思考回路が一直線に軍拡に走ってしまう仕掛けです。
でも、現実には、今はまだ日本はどこからも攻められていないのですよ。ならば「攻められないような平和な状況を今のうちに創り出す」という穏やかな選択肢がまず考えられるべきです。
(中略)
「攻められたらどうする?」と質問されたら、「今は攻められていないのだよ」という前提をまず相手に認識させましょう。そのうえで「あなたはそんなに戦争をしたいのか?日本の若者を死に追いやりたいのか?」「その前にやれることがあるだろう。どうしてそこを考えずに殺し合いに走るのか。頭を冷やせ!」と一喝してやりましょう・・・-
もうなんというか、この人には考える能力がないとしか思えません。
「攻められたらどうする?」と質問されたら、「今は攻められていないのだよ」と言い返すって、では「防犯意識を高めましょう。きちんと戸締りをしましょう」と警察からいわれたら、「今は盗みに入られていないのだよ」というんですか。
それで泥棒や強盗に入られてから、どうすれば防犯できるか考えるのですか。
なんというか平和ボケの極みですね。
誰がどう考えても、普段からきちんと戸締りし、防犯装置を備えるのが当たり前でしょう。
ことが起こっているからでは遅すぎるんですよ。
こんなことはいうまでもないはずなのに、この伊藤という方は何を考えているんでしょう。
それに、軍拡の前にすることが沢山あるといいますが、なぜ軍備を強化しつつ、対話を進めることができないと考えるのでしょう。
いつもいうことですが、軍事力を背景にしないでまともな話し合いなんてできないのです。
大体、「他国から攻められたらどうする」との質問に「今は攻められていないのだよ」と答えるのは会話になっていません。
もう一度いいますが、
「事故に会ったらどうする」と聞かれて、「今は会っていない」だから、救急車はいらない。
「火事になったらどうする」と聞かれて、「今は火事になっていない」だから、消防車はいらない。
本気でこんなことをいったら、誰にも相手にされなくなるでしょう。
ところで、話は変わりますが、皆さんは入管法改正案を巡る国会の乱闘をご覧になりましたか。
野党の方々は話し合いで解決するんじゃなかったんですか。
普段、綺麗事をいっていても、結局、気に入らないことがあると暴力に訴えて阻止しようとする。
他に方法がなかったというかも知れません。
その通りなんです。
武力に訴える他に方法がないことがあるんです。
それを自ら証明したのは皮肉ですね。
しかし、少し経つと、彼らは口をぬぐって、またぞろ「話し合いで解決」といい出すでしょうね。
軍備を強化する前にすることがあるとか。
しかし、彼らには自分たちの信念を本気で貫くだけの気構えもない。
こういう二枚舌たちには本当にうんざりです。
では