「ありのままに」と整形

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先日、カラオケ同好会の集まりで参加者の1人(男性)が映画「アナと雪の女王」の主題歌「Let It Go」を歌いました。

男性がこの歌をうたうのは珍しい。

まあ、それはいいとして、それで思い出したのですが、かなり前にあるテレビ番組でアナ雪の主人公のエルサ(姉の方)に憧れている女性を紹介されていました。

彼女はこの「Let It Go」が大好きで、休日には一人でカラオケに出向き、1時間を10回も熱唱するそうです。

お気に入りの髪型はエルサ風の一本にまとめた三つ編み。

その上、エルサのような顎がほっそりとした小顔になろうと美容整形まで受けています。

これに対して、同番組のゲストたちは「整形して“ありのまま”は違う」と口を揃えてこき下ろしました(ネットでも同様の意見が多かったそうです)。

みんなわかってないですねえ。

まあ、番組自体最初から揶揄しようとの意図でこの女性を出し、意見を誘導していますから当たり前なのかも知れませんが。

整形しないことが本当に「ありのままに」なのでしょうか。

自分の顔が自分の本来の顔ではないと思っている女性は沢山います。

だから整形をして、本来の自分、ありのままの自分になろうとするわけです。

上に書いた女性も実はすでに今までに計10カ所に手を入れているんですね。

自ら整形手術を受けたことがある作家の中村うさぎさんは、整形は単に美しくなるためではなく、自分の顔を好きになるためにするのだと言っています。

こうありたい自分とありのままの自分は違うなんてありきたりの意見は、悩む彼女たちの心には届かないでしょう。

ついでに言っておくと、同番組に出演していた人たち(司会は映画監督もしている芸人で、ゲストに太った女装の男性や女医、子役上がりの役者等)は、辛口だそうですが、一見厳しいことを言っているようでも、切り口や方向性が同じでまったく新味はありません。

単に自分たちのイメージに合わせて、何でも悪口を言っているというか。

考えも底が浅くてお話にもならない。

こうしたテーマを本気で論じたいのであれば、心理学、整形外科等の専門家と実際に整形手術を受けた女性を呼ぶべきでしょう。

それはいいとして、人は誰でも本来の自分と表に出ている自分との間に落差があると感じています。

多くの場合、折り合いをつけてこの落差を受け入れるのですが、それができない人たちもいます。

こういう人たちが自分探しをするわけです(整形手術も含む)。

ところで、この落差自体は勘違いではありません。

人の本質はダイアモンドのように多面体で、相手によって、また、状況によって、見える面が異なります(見る角度によってダイヤの輝き方が違うようなものです)。

この多面体は、表に出ている自分が知っている部分、自分が知っている隠された部分、そして、隠された自分自身も知らない部分から構成されています。

表に出ているのは氷山のように一部分でしかないんですね。

そして、この隠された部分にこそ、自分の本来の姿があると考える人がいます。

こうあるべき自分、こうでなければいけない自分をそこに見ようとするわけです。

ありのままの自分でいるために。

上に書いたように、それは「ありのままに」とは違うと言っても、彼らの心には響きません。

幻想であるとしても、彼らにとっては真実だからです。

自ら気付くか(難しいでしょうが)、心を充たす別の何かを見つけない限り、自分探しが終わることはないでしょう。

では。


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