「異次元の少子化対策に挑戦し、大胆に検討を進める」-キャッチフレーズ倒れにならないようにお願いします

記事
占い

岸田文雄首相が年頭記者会見で、少子化対策について、「異次元の少子化対策に挑戦し、大胆に検討を進める」と語りました。

具体的には、4月に発足する政府の子供政策の司令塔であるこども家庭庁の発足を待たずに①児童手当など経済支援強化②学童保育や病児保育、産後ケアなど全ての子育て家庭への支援③仕事と育児を両立する女性の働き方改革の推進─の3点を中心に議論を開始するとのことです。

なるほど「異次元の少子化対策に挑戦し、大胆に検討を進める」ねえ、結構なことですが、いつものように掛け声倒れになるんじゃないかな。

だいたい、「検討を進める」ですから、結果を約束しているわけではないわけですし。

ところで、実は統計を見ると、待機児童数は減少しているんですね。

ただし、公式発表の数字の裏には多数の潜在的待機児童が隠されているとされています。

子供を持つ専業主婦の多くが「子供を保育園に預けることができるのなら働きたい」と考えているからです。

潜在的待機児童数に関する専門家の試算では100万人、中には300万人以上とする推計もあります。

日本では、子供を育てようとすると問題が山積しています。

高額な出産・育児費用(ご存じのとおり出産には健康保険が適用されません)、空きのない保育園、不十分な育児支援施策、子育てのしにくい労働環境、母親に異常に厳しい社会の視線等々。

特に、前にとりあげましたが、子連れの母親に世間の目が厳しいことが上げられます。

例のダウンタウンの松本人志氏の「新幹線で子供がうるさい。。。 子供に罪はなし。 親のおろおろ感なしに罪あり。。。」とのツィートがその代表ですね。

また、日本では3歳までは母親が育てるべきだとの三歳児神話が根強く残っています。

たとえば、モデルの道端アンジェリカさんの「結婚しても、1週間に1回は男と女に戻りたいので、子供はベビーシッターに預けたい」との発言が大変な批判を受けました。

要するに「ベビーシッターを使うなんて子供がかわいそう」「子供を預けるなんて母親失格だ」との意見です。

面白いことにこういう意見を述べる人の中には結構男性も多いんですね。

しかも、自分では子育てなんかしたことがなかったり、子供を持ったことさえないような人も思い込みだけでベビーシッターに批判的な意見を吐いたりします。

どんなことにでも知らないくせに口を出す人がいますが、子育ての問題は特にその傾向が強いようです。

さらに、経済的問題があります。

収入が頭打ちなのに、子供ができれば共稼ぎも難しくなる。

子供がいるよりもいない夫婦のほうが豊かな生活をしているように見えるのはご存じの通りです。

こうした状況の中で子供を作ろうと考える若い人たちは本当に貴重です。

岸田首相も「異次元・・・」なんてキャッチフレーズでどやっている場合ではないでしょう」。

しかし、残念ながら、岸田首相に限らず、政治家がイメージのために少子化問題に触れることはあっても、本気で取り組むことは期待できません。

単純に、票にならないからです。

おそらく日本の出生率がさらに下がり、問題の先送りが不可能にならない限りこの傾向が覆ることはないでしょう。

では。


サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す