サッカーワールドカップでの通訳の誤訳-組織委員会の責任か?

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ニュースによると、韓国メディアがサッカーワールドカップ(W杯)カタール大会組織委員会の通訳をめぐるずさんな対応を批判したとのことです。

最初に断っておくと私はサッカーにも韓国にも興味がありませんが、通訳の問題なので取り上げることにしました。
以下に簡単に説明します。

スポーツメディア「スポーツソウル」(WEB版)が、W杯カタール大会期間中に行われた記者会見で韓国代表通訳に2度の誤訳があったと指摘しました。

最初の誤訳はグループステージ第2戦目のガーナ戦を翌日に控えた11月27日に起きました。

会見で韓国代表チームのパウロ・ベント監督(ポルトガル人)は、守備の要であるDFキム・ミンジェの出場可否について話したのですが、通訳は「明日はキム・ミンジェの出場は難しい」と伝えました。
ところがベント監督は他の質問で通訳に違和感を覚えたため、ポルトガル語から英語でのコメントに切り替えたんですね。

そして改めて「キム・ミンジェの出場はまだ分からない。明日までに状況を見て決める」と説明しました。

この誤訳は、韓国メディアに大きな混乱をもたらしたとのことです(私にはそれほど大騒ぎするほどのことだとは思えませんが)。
結局キム選手はガーナ戦に先発出場したものの、チームは激闘の末2-3で敗れました。
この事態を重く見た韓国サッカー協会(KFA)は、大会組織委員会に対して再発防止を要請。

しかし、12月6日に2度目の誤訳騒動が起きました。

6日に行われた決勝トーナメント1回戦での対ブラジル敗戦後の会見で、ベント監督の去就に関する質問に対して、通訳は「まだ去就を決めていない。休息を取った後に決める」と訳したんですね。

しかし、会見終了後、ベント監督の通訳がまともになされていなかったと判断したKFA広報担当者が通訳に訂正を求め、改めて以下のコメントを発表しました。

「韓国との旅は今日を最後に終える。9月から考えていた。今日会長とも面談したし選手たちとも話をした。再確認する場だった。休みながらリフレッシュするつもりだ。その後、去就を決定する予定だ」

結局、ベント監督は退任しています。

とまあ、こんな感じです。

まず、最初にいっておかなければいけないことは、ポルトガル語のプロ通訳が非常に少ないことです。
もともとプロ通訳は英語以外の言語では本当に少ないのです。

少し前にウクライナ語のプロ通訳がほとんどいないことが話題になったことを覚えておられるかと思います。

ただ、問題になった通訳は組織委員会の公式通訳だそうですが、どうも信じられないですね。
公式通訳にしては、間違いのレベルが低すぎます。

「キム・ミンジェの出場はまだ分からない。明日までに状況を見て決める」を「出場は難しい」と誤訳するなんてプロ通訳では考えられません。

初心者でもやらないでしょう。

2回目の誤訳は間違いというほどではないじゃないかな。

かなり簡略化されてはいますが。

ひょっとしたら、組織委員会の責任者の親戚だか、知り合いだかを、ポルトガル語ができるからと、公式通訳に押し込んだのかもしれません。

一般の人は通訳という仕事をかなり簡単に考える傾向がありますからね。
ただ、通訳に誤訳はつきものだし、訓練していないと訳抜けは本当によくあります。

プロ通訳はごまかし方も上手いのであまり気づかれることはありません。

後で指摘されて大問題になったなんてことは、聞いたことがないですね。

大体、韓国サッカー協会も最初の誤訳のときに、その通訳を辞めさせて自分たちで信頼できる通訳を雇うか、最初から英語でやればよかったのです。

まあ、組織委員会も韓国サッカー協会もどっちもどっちといったところでしょう。
今回の問題が、通訳という仕事に対する認識を改める機会になればいいですね。

では

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