「妻を娶らば才長けて、見目麗しく、情けあり」
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この言葉は結構古いですが、有名ですから、ある程度の年齢の方はご存じかと思います。
しかし、これが与謝野鉄幹の「人を恋うるの歌」の冒頭の言葉であることは余り知られていないようです。
この後、「友をえらばば書を讀んで 六分の俠氣四分の熱」と続いて1番になっています。
そして、全部で16番まであります。
与謝野鉄幹自体も奥さんの晶子の方がずっと有名で彼女の夫であったこと以外はほとんど知られていません。
ただ、鉄幹は大変モテました。
女学校の教師時代に何人かの生徒に手を出しますし、晶子とも不倫の果てにその時の奥さんを離婚して結婚しています。
しかし、才能的には晶子には遠く及ばず、鉄幹が彼女をプロデュースしたのですが、自分自身はスランプに陥り、そのまま復活することはなかったようです。
晶子はその歌からもわかるように、鉄幹を心から愛していましたが(子供を12人も生んでいます。ただ、これは当時ではそれほど珍しいことではありません)、結局、鉄幹を潰してしまった。
才たけ過ぎたのかな。
もともと鉄幹はプロデューサーや指導者、つまり、黒子的的な役割の方に才能があったのでしょう。
しかし、それに甘んじるのは嫌だった。
今でもよくあることですが。
とここまで書いてきましたが、実は今日のテーマは鉄幹ではなく、最初の「妻を娶らば才長けて、見目麗しく、情けあり」なんです。
ちょっと筆が滑りました。
それで「妻を娶らば才長けて、見目麗しく、情けあり」ですが、やや古い表現ですから、一応意味を説明しておきます。
奥さんにもらうなら、頭が良くて、美人で、情に厚い女性がいいなあ、といったところですね。
特に驚くような意見ではない。
見合結婚が主流だった時代の考え方のような気もしますが、今でもあまり変わらないかな。
しかし、鉄幹にとって晶子はどの程度この条件を満たしていたのでしょうね。
もうしわけありませんが、見目麗しいとはなかなか言えないような。
それはいいとして、やはりこういった理想の結婚相手の条件は頭で考えただけのものの感じがします。
現実を見ていないというか。
大抵の場合、まあまあのところで折り合いをつけるんじゃないかな。
私の考えでは、結局のところ結婚は相性ですね。
どんなに欠点があっても、理想からほど遠くても、なんとなく一緒にいたいと思うことがあるでしょう。
そんなものです。
大体、結婚相手に厳しい条件を付ける人はなかなか結婚できないと言われていますので思い当たる人は要注意ですね。
では