オカルト、心理学、精神分析

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あるタレントが「オカルト・心霊現象はこの世にないと憲法に明文化すべきだ」といった発言をしていました。

占いは根拠がないから信用できないとも主張。

この意見に賛成する人は多いでしょう。

しかし、そんな人たちでも心理学や精神分析については信じているのではないでしょうか。

一見科学的ですからね。

たとえば、近頃は、何か事件や問題があればすぐにトラウマやストレスその他の精神的な原因を言い立てて、何かを説明したような気になっています。

最近ではPTSDが大流行で、そういえばあの方も複雑性PTSDと診断されたそうですね。

ところが、心理学の学説にはほとんど根拠がなく、その客観的正当性を証明できないものが多いのです。

精神分析も20世紀前半の精神医学・心理学・人文分野に多大な影響を及ぼしたものの、今では薬物療法の発達に伴いその影響力が遥かに低下しているのが現状です。

また、科学の姿を装ってはいるものの、本当はまるっきりの迷信としか云えないものも世の中には多く見られます。

そのもっとも良い例がゲーム脳でしょう。

ご存知だとは思いますが一応説明すると、「テレビゲームをやり過ぎると、脳が認知症患者と同じようになっていく」との説です。

これを無批判に信じている人が多いのではないでしょうか。

確かに、ゲームに熱中する子供を苦々しく思っている大人から見れば、非常に都合のいい説であることは間違いありません。

しかし、実はこれは最新の脳研究ではまったく省みられることのない説なんです。

脳関連で雑学を一つ書きます。

まず、大脳が大きいほうが頭がいいとよく言います。

ヒトの大脳が類人猿の大脳よりも大きいことや、高齢者の脳が加齢に伴って萎縮すること、アルツハイマー病などの疾患では病変部が著しく萎縮することなどからも信じられているようです。

しかし脳の重さは、特にヒトでは知能の指標にはならないとされています。

夏目漱石やアルベルト・アインシュタインの脳は彼らの死後も保存されていますが、その重さを量ってみても正常の範囲を出ません。

大体、クジラやゾウは、ヒトより重い脳を持っていますからね。

それから、人間は脳の1割ほどしか有効に使っていないとの説もよく聞きます。

しかし、実はヒトの脳は約140億個の神経細胞を含みますが、それは脳の細胞の1割程度であり、残りの9割はグリア細胞と呼ばれるものなんです。

グリア細胞は神経細胞に栄養を供給したり、髄鞘を作って伝導速度を上げたりと、さまざまな働きをします。

ですから、1割しか使っていないとの説は、グリア細胞の機能がよくわかっていなかった時代に、働いている細胞は神経細胞だけという思い込みから広まったものでしょう。

最近では脳の大部分は有効的に活用されており、脳の一部分が破損など何らかの機能的障害となる要因が発生した場合にあまり使われてない部分は代替的または補助的に活用されている可能性があると考えられています。

それから、脳にシワが多いほど知能が高いというのも正確ではありません。

たしかに、人間の頭の大きさは限られているので、少しでも脳の表面積を大きくするために、シワがあることは間違いありません。

しかし、イルカとヒトを比較すると、イルカの方がシワが多いんですね。

もちろん、脳についてはまだまだ解明されていないことが沢山ありますから、今後どのような新事実が発見されるかわかりませんが、これも一種の迷信と言ってもいいでしょう。

オカルトには厳しい目を向ける人たちも、こうしたニュータイプの迷信には簡単に騙されることが多いようです。

では。
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