どうすべきか、ではなく、どうしたいのか。

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大人ですもの、わがままなんて言えません。
大人だから、自分のことは自分でやります。
大人なので、なにかあったら自分でちゃんと解決します。

大人、大人、大人……大人の定義っていろいろありますけど、
大人だの子どもだのいうまえに、ひとりの人間なのです。

十年近く前、Aさんのお話。
Aさん29歳 夫31歳
娘8歳 息子7歳

ご主人は外資系の営業マンで、出張が多く週に一度しか帰らない。
その間、Aさんは子どもたちのお世話はもちろん
炊事洗濯お掃除、学校のPTA活動に
町内会の役員、子どもの塾や習い事の送迎
毎日大忙しです。

それに加えてAさん、在宅ですがお仕事をしていました。
いわゆるライターさん。
一日一本は必ず原稿を書いておかないと
締め切りも間に合わない。
そこまでたいしたお給料はもらえないけれど
専業主婦でいるよりは、
なにか自分の力で働いて、お金が欲しかった。

ご主人は、Aさんが決めたことなら構わないし
家のことさえちゃんとやってくれていたらいいよ、とのこと。

しかし次第に、ご主人の様子がおかしくなっていきます。

「Aちゃん、お給料出たんでしょ?今年の誕生日はブルガリの財布がいいな」
「稼いでるんだから、多少家にお金いれてくれてもよくない?」
「子どもたちにかかるお金くらい、Aちゃんが出してよ」

Aさんも、まあ確かに…まあたまには……と
最初こそ違和感がなかったものの、こういうのって麻痺していきます。
どんどんおかしな方向に向かっていきました。

「夫婦で財布が別って、最近じゃ多いらしいよ。俺は家賃と車のローン
光熱費くらいは負担するよ。でも、ずっと家にいるのはAちゃんと子じゃん?
だから、食費とかその他もろもろは、全部やってね」

「たまに帰ったのにこのおかず?大丈夫?子どもたちにちゃんと飯食わせてる?仕事なんてしてるから、家事に手抜きしてんじゃないの?」

「え、仕事辞められたらそれはそれで困る、俺の小遣いヘルじゃん。
自分でやりたいってはじめた仕事でしょ?責任もちなよ」

こうなってくると、
パワーバランスがとんでもないことになります。

でも、長年ずっと一緒にいて、
長年その価値観に寄り添っていると
わからなくなってくるものです。
おかしいことに気づかない。

なんだか……わたしばっかり大変な気がする。
とは思っても
だって妻だから、だって母親だから。
だって大人だから。
お外で相談するにも、ちょっと恥ずかしい。
大人げないって思われるかもしれないし
夫婦の問題なのに。
自分のことは、自分で解決しなくちゃ!

そんなふうに思ってしまう。

いやいやいやいや、解決もなにも。

ご主人に言ってやったらいい
「あなたは仕事だけやってて大変なのね。
わたしは家のこと、子どものこと、仕事のこと、毎月の支払い
それに加えてあなたのお世話で大変です。
なのでお金くらい、惜しみなく置いていきなさいよ」って。

夫婦間でまず話し合いをすること。
我慢する必要もないし
自分のことは棚にあげても構わない。
大変なこと、苦労していること、つらいこと
全部打ち明けて吐き出したうえで、
これから先、どうしていくのがベストなのか、
話し合うこと。

でも、それができないのであれば、
そんな男はもう必要ない。

今の世の中、女ひとりでも十分生きていけます。
国がいろいろ助けてくれます。
むしろ離婚してひとり親になったほうが
生きやすい可能性のほうがでかいです。

笑っちゃうくらい、「父親」としての自覚はもちろん
家族を持った自覚がない男と一緒にいたって
苦労するだけ。

なんならそんな男のそばで我慢して過ごしている母親の姿を見せることのほうが、子どもにとっちゃ酷なこともあります。

よく聞く「子どものために」って言葉、わたしは好きじゃありません。

どうかお子さんに「あなたのためにお父さんとは離婚しない」なんて
言わないであげてほしい。

本人からしたら自分のために母親が苦しんでいるということになってしまう。

その言葉の裏にはきっと「自分ひとりでなに不自由なく育てられるか心配」っていう気持ちが隠されていると思うのだけれど。

大丈夫です。いろんな支援がある。
大丈夫です。子どもはお母さん大好きだから、お母さんが悩んで苦しそうにしている姿を見るより、安心して過ごしてる姿を見たいと思ってる。
あと、なにより、子どもでも、きちんと真摯に話をしたら伝わります。
大丈夫、一緒に苦労してくれる。
その苦労は決して子どもを追い込まない。
将来の糧になる。


Aさんはいま、自営業をしています。
社長さんです。収入は決して多くはないそうですが、
お子さんふたりを立派に育て上げ、
休みの日は三人でよく焼肉に行っているそうです^^
ふたりともしっかりとしたいい子に育っていました。
お姉ちゃんのほうは就職も決まって
春からひとり暮らしをしているそうです。
成長って早いですね。




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