死にかけた?かもしれない話

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私が小学生くらいの時の話です。
私は体があまり強くなくよく学校を休む子供でした。

私の部屋は窓の下が狭い用水路でしてそこを人が通れるのですが、窓の下にベッドを横向きで壁につけておいているためカーテンが揺れるのと一緒に登下校の子供の声が聞こえてくるような環境でした。

その日も熱を出し、休んでいました。
カーテンが揺れるのと一緒に楽しそうな子供の声をさみしい思いで聞いていました。

当時私の中では息を長く止めるのが流行っていました。
子供の考えることなので今の私にも理由はわかりません。
息を止めていたら気持ちよかったとかそんなことだと思います。

熱に浮かされたふわふわした頭でカーテンが日にきらきら輝きながら揺れるのを見ながら私はぼーっと息を止めていました。
その時の体勢は上向きに寝転んだ体制で目の前というよりも少し斜め左上のカーテンのレースを見ていました

結構長いこと止めていました。

その間もゆらゆら、ゆらゆらとカーテンのレースが揺れています。

ずーっと息を止めています。
苦しくはなくただふわふわとした心地でした。

「ただいまー」

玄関で母の声が聞こえてきたとき我に返り息をすることを思い出しました。

その時に私はずっと眠っていてかつ息を止めていたのだとわかりました。
息を止めていた苦しさは呼吸をしだしてから思い出したかのように吹き出し、激しい咳をしながら必死に呼吸をしました。

そんな経験をしながらも割と長い期間息を長時間止めるというマイブームは続いていました。

今はすっかりしていませんが、今でも覚えているのは、優しい日差しとカーテンのレースがゆらゆら揺れている光景とふわふわとした心地よさです。

あのまま母の声が聞こえなかったらあの時私は死んでいたでしょうか。
私自身は特に恐怖だとも思っていませんが、言ったら母のストレスになりそうで大人になってからもずっと言えない体験です。


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