私のお気に入りの本に、デール・カーネギーの「道は開ける」があります。
読んでいて、心がとても軽くなる本なので、人生のバイブルとしておりますが、リスク管理という私の好きな分野において、似ている部分がありますのでご紹介いたします。
「道は開ける」Part 2. 「悩みを分析する基礎技術」
この章では悩みや問題を、解決又は軽減させるためのテクニックについて書かれています。
これらは私生活から仕事上での悩み、生死を分けるような重大な場面においても活用できるとのことです。
具体的には次のようなプロセスです。
1. 私は何を悩んでいるのか、問題点は何か又は問題の原因は何かを明確にする。
2. 解決策をできる限り洗い出す。
3. それに対して今、私は何ができるのか、望ましい解決策はどれかを問う。
4. 決断ーそして実行。
このテクニックを活用する前の前提として、前章「Part1. 悩みに関する基本事項ー 2. 悩みを解決するための魔術的公式」にある次のステップも検討することも役立ちます。
1. 「起こり得る最悪の事態とは何か」と自問すること
2. やむをえない場合には、最悪の事態を受け入れる覚悟をすること
3. それから落ち着いて最悪の状態を好転させるよう努力すること
「道は開ける」D・カーネギー
リスク管理と類似している
これらのテクニックは企業のリスク管理においても有効です。
しかし「起こりえる最悪の事態とは何か」という部分に関しては、企業の場合、明確です。
それは倒産です。倒産後の個人の風評リスクや生活ができなくなるリスクはありますが、企業単体で考えると究極のリスクと言えます。
そして倒産に至るほとんどの背景が財政悪化です。
財政悪化につながるリスクは複数存在します。
例えば、財務リスク、風評リスク、システムリスク、人材リスク、有事の際の事業継続リスク、外部で発生する自社の力が及ばない分野でのリスク(AIや紛争など)などです。
これらのリスクの中から一つを選んで、リスク管理手法を用いてリスクを管理します。
企業のリスク管理手法
1. リスクの把握&リスク評価(発生頻度と影響度から優先度を決めるため)
2. 対策(コントロール)の洗い出しを行う。
3. リソースなどを鑑みて対策(コントロール)の導入を検討する。
4. 決断-そして実行。
個人の悩みや問題を軽減させる手法
1. 私は何を悩んでいるのか、問題点は何か又は問題の原因は何かを明確にする。
2. 解決策をできる限り洗い出す。
3. それに対して今、私は何ができるのか、望ましい解決策はどれかを問う。
4. 決断ーそして実行。
どうですか。似ていますよね。
人生の悩みも経営管理の課題もこれらのステップで管理できる!
人生の悩みも企業のリスク管理もこの4ステップを踏んで管理できるということです。
人生の悩みについては、こんなに単純なことではないよ、と思われるかもしれません。
でもその悩みに人生の大切な時間を取られてしまってはもったいないと思います。
なぜならこの一瞬一瞬の時間の使い方、考え方によって、自分の人生がどんなものになるかが決まるからです。
より良い人生を過ごすため、まずこの4ステップを試してみませんか。
企業の皆さんもこの人生において使える4ステップを自社内で取り入れてリスク管理に挑戦してみてはいかがでしょうか。
リスク管理を行うことで、不透明な心配事や不安が少しはクリアに見えるようになると思います。そうすれば少しは気持ちが軽くなるのではないでしょうか。
この「道は開ける」という本は今悩みや不安を持っている人々にとって救世主と成り得る本です。
ぜひたくさんの方に読んでいただきたいと思います!