銭湯での苦情をリスク分析してみよう。

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コラム
先日スーパー銭湯のご意見板にこのような投稿がありました。
「洗い場に私物を置いているため、その場には人がいないにも関わらず、洗い場が無くて困った。」

昔ながらの銭湯では、洗い場にシャンプーやボディソープを置いて席を確保するものだったので、皆さんはその感覚で私物を置いているのでしょう。

そのスーパー銭湯では「私物を置いての洗い場の確保はご遠慮ください。込み合った場合には移動させていただきます。」という張り紙がいたるところに張られています。なので、皆さんは私物での洗い場の確保はダメだということは知っていると思います。

この場合のスーパー銭湯にとってのリスクは?

どのビジネスにおいても最大のリスクは倒産だと、個人的には考えています。財政、風評、人材、災害、システムなどのリスクから最悪の場合、行きつく先はビジネスが成り立たなくなってしまうこと。

このようなご意見板にある状況からでも、重大ではないかもしれませんが、リスクが潜んでいます。

そして今回の場合の最大のリスクは、風評リスクです。

お客のマナーが悪い、洗い場がそもそも狭い、張り紙をしているにもかかわらず銭湯側は何も対策しない、などが考えられ、客離れが発生してしまいそうです。

では対策は?

対策はいくつか考えられます。

①張り紙にある通りに、徹底的に私物を洗い場に置かせない。置いている場合は必ず移動させる。(同じような苦情を発生させないためのリスク回避)

②洗い場がいっぱいになる時間帯はそれほど多くない(これは私の憶測です)ので、何もしない。(リスク保有)

③洗い場の数に合わせて入場人数に制限を設ける。(リスク低減)

④入場人数が多くなった場合にのみ、私物を移動させる。(リスク低減)

それぞれの対策の問題点

①従業員が頻繁に見回る必要がある。また、あまりにも厳しすぎるので、苦情が発生する。

②張り紙をしているにも関わらず何もしないのは無責任だと苦情が発生する。

③客の人数を常にカウントしなければならない。売り上げが落ち、経営が厳しくなる。また、客から入りたいときに入れないと苦情が発生する。

④客の人数を常にカウントしなければならない。私物を移動させられた人から苦情が発生する。

私の提案

個人的には④がベストな対策ではないかと思います。

客の人数を常にカウントという点では、費用はかかりますが、センサーなどを設置して人数を数える方法、チケットから1時間~2時間以内での来客数を調べる方法、チケットカウンターの人が常にモニタリングなどがあげられます。

また洗い場の数に達したら、すぐに私物を移動させるのではなく、洗い場の数の130%に到達したら見回りを開始して、私物を移動させるなど、少しバッファーがあっても良いと思います。

そうすることで人数の面でも少し余裕ができます(100%の人数はすぐに到達してしまうが130%の人数が一斉に利用する頻度は少ない、のような意味)し、従業員の見回る手間も、本当に込み合っている時間帯のみと軽減することができます。

また私物を移動させる前に、館内アナウンスなどでお客様に「今の時間帯、込み合っているため、洗い場に置かれている私物は移動させていただきます。」というような告知があると親切だと思います。

そもそものリスク自体が重大なものでもないと判断すれば、対策を講じないという②という判断もありだと思います。

今回は興味本位でリスク分析をしてみました。このようにお客様いただく苦情はとても貴重です。このような意見をくださるお客様は全体のほんのわずかしかいません。

ぜひ改善のヒントが隠れていると思って、分析してみてくださいね。また、分析しているということは、お客様のご意見を大切にしているという証拠にもなり、対外的にアピールすることもできるでしょう。

もし、リスク分析してほしい事項がございましたら、お知らせください。
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