📚はじめに
体温計や血圧測定のイメージが強いオムロンですが、ヘルスケア事業は全体の1割しか占めていません。実は、工場の製造ラインなどに使われる「制御機器」が柱の事業となっている。
その中でも、今回は、高度成長期における世界初の自動改札機の開発を軸にビジネスモデルをまとめてみたいと思います。
📚ビジネスモデル紹介
高度経済成長期には、地方から多くの若者が集団就職を背景に都心にあふれかえり、通勤ラッシュが社会問題になっていました。
そんな中、鉄道会社は、自動改札機の製造を各大手メーカーに打診しましたが、「技術的に困難」「採算が合わない」と次々に断られました。
顧客セグメント(CS)は、「技術力が高く」、「採算の見通しが立たなくてもチャレンジしてくれる」ことを求めている鉄道会社となります。
そこで、唯一手を上げたのがオムロンの前身の「立石電機製作所」でした。切符を正確に読み取るためのセンサー技術の高さと、失敗し続けても改善し続ける会社としての姿勢が実り、ついに実用化に漕ぎつけました。
📚ひとこと
ビジネスモデル上の今回のポイントとしては、ニーズはすでに顕在化していたため、主要な資源(KR)が差別化要因になってきます。具体的には、①高いセンサー技術、②社運をかけた人員、資金投下にあると考えています。
創業者立石は、技術者にいつも、「できませんと言うな」と言い続けたと言います。人員投下も大切ですが、それ以上に技術者としてあるべき姿を問い続け、「どうすればできるか」を突き詰めた姿勢が成功に繋がっていると思います。
📚参照
カンブリア宮殿_2014年2月27日放送