「労基署立ち入り」どうする?

記事
コラム

・労働基準監督官が行う監督指導とは

法律に基づき、定期的にあるいは従業員などからの情報をもとに、事業場に立ち入り、現場や帳簿などを検査して、関係労働者の労働条件について調査することです。
当然、違法行為を確認した場合は、事業主などに対しその是正を指導したり、危険性が高い設備については、その使用を停止させることなども行います。

・労基署立ち入り調査の状況

厚生労働省の「確かめよう労働条件」サイトによると、監督指導は、1年間に約17万件(平成30年)実施しているとのことです。
総務省のデータによると我が国の事業者の総数は約635万件なので、約2~3%の割合となり確率としては著しく低いのですが、みなさんの事業所に監督指導はありましたでしょうか。

・監督指導が行われる事例

監督指導が行われる事業所は次の通りです・
①業種別
製造業、建設業、陸上貨物運送事業、小売業、社会福祉施設、飲食業
例年死傷者数が多い事業が対象となっています・
②従業員などからの申告
従業員ばかりではなく派遣社員からの苦情などにより調査することも多いようです。
③死傷病報告書
2年に1件以上労災が発生した事業場には、再発防止の観点から調査が入るようです。
④長時間労働が疑われる事業所
時間外・休日労働に関する協定(36協定)届において特別条項が上限80時間などで提出している事業場は優先的に調査が行われる傾向にあります。

・監督指導の多い事例

定期監督(主体的、計画的に実施する監督指導)等では、約68%の事業場において何らかの労働基準関係法令違反が認められているとのことです。
主な違反事項は、
① 時間外労働に関する届出を労働基準監督署に届け出ない、または届け出た上限時間を上回って時間外労働(残業)を行わせているもの
② 機械や設備などの安全基準を満たしていなかったもの
③ 時間外労働(残業)等に対して割増賃金を支払っていなかったもの(一部未払を含む)などとなっています。

・必要な手続を忘れていませんか?

監督指導時は通常担当官が2名以上で行われます。最低限留意しておくべき事項は次の通りです。
①時間外・休日労働に関する協定(36協定)届
②就業規則作成(変更)届
③健康診断結果報告
④労働者名簿
⑤安全衛生委員会議事録
他にもありますが、時間外労働の未払いがないか、36協定を超える時間外労働がないかは詳細に調査が行われますので、管理監督者の方は日ごろから違反がないよう注意しましょう。

では、みなさまご安全に!



サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す