TOEIC990点保持者が読む大学入学共通テスト 英文法編

記事
学び
はじめまして。ココナラで英語などの言語を教えています、るると申します。
東京大学文学部出身で、TOEIC990点を保持しています。

今日は大学入学共通テストの過去問の英文を題材にして、英語そのものについてどんなことを学べるかと見てみようと思います。

 *

2021年度第1日程の第6問Bの本文はこんな1文で始まります。

Cake, candy, soft drinks—most of us loves sweet things.

まず冒頭の cake, candy で立ち止まりましょう。これらの名詞にはどうして何もついていないのでしょうか?

例えば table, chair and sofa とは、普通の英語では言えません。数えられる名詞には冠詞か複数の -s をつけないといけないはずだからです。
water, milk and juice なら言えます。これらは数えられない名詞だからです。

つまり cake と candy も数えられない名詞として使われていることになります。これはちょっと意外ですね。

じゃあ three cakes と言えないかというと、そんなことはありません。でも cake を数えると、切り分ける前のケーキをまるごと一つと数えることになります。
He baked three cakes. 
彼はケーキを3個焼いた。
切り分けたケーキは数えられないので、「1切れ、2切れ」と数えたければ piece を使います。
He ate three pieces of cake.
彼はケーキを3切れ食べた。
candy も同様で、基本的には数えられない名詞です。数えるときには a piece of candy のように言います。
ちなみに candy という言葉の意味自体、日本語話者が描くイメージより大分広いようです。手元の『ウィズダム英和辞典』には「日本語の「キャンディ」と違い、あめ・チョコレートを主に使用した菓子全般をいう」と書いてありました。

cake や candy はなかなか入試問題には出てこないかもしれませんが、advice や information が数えられないということはよく出てきます。
Let me give you a piece of advice.
1つアドバイスをしておきます。
I want to get as much information as possible.
できるだけ多くの情報が欲しいのです。
これを an advice とか many informations とか言うと間違いになるので注意しましょう。


本文に戻ります。次の soft drink も、飲み物だから数えられないかと思いきや、こっちは soft drinks と複数形になっています。
water, milk and juice というのを見たばかりですが、ここではいろいろな種類のソフトドリンクをイメージしているから複数形になっているのです。
I like French wines.
私はフランス産のワインが好きです。
のような例もあります。

 *

さて、本文の次の部分で、実はしれっと間違いを仕込んでいたのですが、お気づきになったでしょうか?

気づかなかったという方に、改めて問題です。以下の空欄に入るのは love か loves どちらでしょう。

Most of us (   ) sweet things.

この文の主語 most は単数形だから3人称単数現在形の loves になりそうな気もしますし、「私たちの大部分」と言っているから、複数の人を指すので love になりそうな気もします。

ここは後者の love が正解です。
most of A, some of A, half of A などは、指すものによって単数扱いにも複数扱いにもなります。
当然この違いが動詞の形にも影響を与えるので注意が必要です。

Half (of) the apples are rotten.
それらのリンゴの半分は腐っている。(=たとえば12個中の6個が腐っている)

Half (of) the apple is rotten.
そのリンゴの半分は腐っている。(=1/2個が腐っている)
(『アンカーコズミカ英和辞典』)

 *

最初の段落くらいを扱おうと思って書き始めたのですが、1文だけでこんなに長くなってしまったので、ここらで止めておこうと思います。

もちろん実際に英文を読むときや、英語を話すときなどに、こんなことをいちいち全部考えるべきというわけではありません。しかし、内容を正しく受け止めたり、正しく伝えたりするためには、しくみをちゃんと理解して言葉を使いこなせるようになることが大事だと考えています。

ネイティブスピーカーのように無意識のうちに言葉を使いこなせるのであれば、ここに書いたような面倒くさいことは全部すっ飛ばしてかまいません。

けれども、ネイティブスピーカーと同じ感覚を持っていないのであれば、多くの場合、まずは頭でちゃんと理解することが一番の近道になるでしょう。

文法を勉強しても話せるようにならない、などと言う人がいますが、それはおそらくその人が中途半端なところで止まっているからでしょう。頭でまず理解したことが、だんだん定着してくると、あまり意識しなくても口や耳が勝手に反応するようになってきます。そして、一度頭で理解したことなので、それは強固な感覚として残るのです。

ぼく自身、英語圏での生活の経験はありませんが、このように心がけて練習を重ねることで、TOEIC990点レベルまで英語ができるようになりました。

コミュニケーションのための英語ということが重視されている昨今(それ自体が悪いとは思いませんが)、学校などでも英語のしくみをきっちり理解させてもらえる機会は少なくなっているようです。

ぼくのような方法は、万人向けではないかもしれませんが、例えば数学や理科は得意なのに英語は苦手、というような方は、この方法で一気に英語が得意になれるかもしれません。

今回の記事で見たように、どんな英文からでも英語を学ぶことができます。ココナラでは、みなさんのお持ちの教材を使って、一人ひとりの理解に即してレッスンを行っています。

ご関心のある方、ご連絡をお待ちしております!
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す