職場がツライ② 居場所がない

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Fさんは会社にいっても居場所がなくなってしまったそうです。コロナもあって退職勧告や部署を本社で一括するといった効率化と呼ばれる人員削減もあり、相当な縮小営業となりました。

そんななかでフリーアドレス制度を組み込むと言われついにデスクもなくなってしまったのです。

Fさんの落ち込みは計り知れませんでした。お話しをするのもつらそうでポツリポツリとご自身の状況を語るFさん。話し始めるまでに相当時間もかかりました。

本来のFさんの能力とはかけはなれた仕事だけをするように言われたため、パワハラの項目に該当すると気が付いたFさんは、すべての記録を取り始めました。

というのも、上司は実はパワハラで一度注意を受けたことがあったからです。日々針の筵でツライ毎日でしたが、記録を取り上司の上司に話しをすればもしかしたら何とかなるのかもしれないと、かすかな望みにかけていました。

半年ほどして本社の人事に記録を見せて話を聞いてもらうチャンスがありました。人事部長は真摯に受け止めてくれたのですが、Fさんの上司のさらに上司は人事部長の上長でもあります。

そのためできることはそれほど多くなく、結局2度目の注意で終わりました。さらにFさんの上司は内部告発をしたのがFさんであることに気が付いたようでした。その上、人事部長も退職されてしまい、本件に関して相談の持っていき場をなくされたそうです。

Fさんの上司は上長から大変気にいられていること、そして人事部長の上長でもあるその人は、結局のところ男尊女卑の考え方のため、能力ではないところで人事を決定する傾向があることも人事部長の話からわかりました。

Fさんは不眠と体重減少に悩まされるようになりました。おそらくかなり参っておられたのだと思われます。

お話しを聞くことしかできない私ができることは、涙ながらに話すFさんの背中をさすることが精一杯でした。

ただ、Fさんからは「パートナーや子どもは話をただきいてほしくても、意見やアドバイスを話しだすんです。そして少なくとも私はそんなものは求めてはないんです」とおっしゃり、ただ聞くだけでよいんだと信じながら、毎回Fさんのお話しをうかがっていました。


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