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学生向けにおこなっている有料研修の期間は3ヶ月間。
1チーム5人。複数チームはあり、チーム対抗戦。
それぞれのチームにわたしのような担当がつくというわけ。
実はとにかく絶対に優勝したかった。わたしが。
わたしの講義とは別に出る課題をこなすために
彼女たちはよく、いやあり得ないほどの量の連絡を取っていた。こちらが追いつけないほどに。
ところが、なんとなくギクシャクしていたものも感じていた。
ある日、一人の行動がきっかけで課題の出題者を激怒させてしまったのを目にした。
しかしながら学生は行動を起こそうとしない。
これはやばいと察知したわたしは、全員を緊急招集し、会議をした。
たぶん、こんなにもこんこんと説教をしたのはなかったと思う。
なぜ、行動をしたのか?なぜこの行動をするメンバーを止めることができなかったのか?
自分達は何をすべきだったのか?
答えが出ない…。
チームでやっているはずなのに自分のことばかりが強く出過ぎている…。
そこでメンバー一人一人に対して
今まで言えなかったことを好きなように言わせる時間を作った。
絶対に安心安全、反論しない、何を言ってもOKな場を意図的に作って…。
するとどうだろう。
相手への単純な要求は、やがて建設的となり、自分の強みや相手の強みを尊重する発言へと変わっていった。
もっと前に出てきてほしい!
もっとわたしたちにもまかせてほしい!
あなたならこれが得意だからこれやってよ!
じゃぁ、わたしはこれが得意だからこれやるね!
プログラムが終わった後に、学生の一人がこの出来事について感想を述べてくれている。
あれがきっかけでチームが団結できたと思う、と
事実、ただでさえ多かったメッセージのやり取りはさらに増え、時には深夜にまで及んだ。次の朝目覚めた時に未読が300件近くあった時は笑いながら「時間をわきまえなさい」と忠告したものだ。
この研修の最終プレゼンでは実際に経営者の方にグループディスカッションの様子と、個人プレゼンテーションの様子を見ていただき、さらにこれまでの積み重ねから順位づけされる。
正直のところ、一人の脱落者を出さずにここまできて、優勝はうちのチーム!と思えるほどにチームを作り上げてきた、つもりだった。
しかし、初めて参加チームの顔合わせをした時にそれが一変する。
このチームには勝てないというチームが出てきたのだ。個人のプレゼン能力、チームとしてのまとまり、全てが上回っていた。
結果はそのチームが優勝。我がチームは準優勝に終わった。
しかし、後に驚きの事実を知る。
グループワークの評価は最高点だった。
チームの発想力が際立って優れていたと。
わたしは胸をなでおろした。
やってきたこと、間違ってなかったんだ。
この子たちを信じることができたんだ。
でもね…。個人プレゼンは…。
そうだよな。何も教えてなかったもん。
チームで頑張れって言ってたもんわたし。
納得の結果だった。しかしずっと失敗だらけだった自分にも自信がついた。
彼女たちから「ありがとうございました!嬉しかったです!」のメッセージが、終了後速攻で全員からきた時には、心底嬉しかった。
3ヶ月間の集中セッションを終えた5人はいま
個別に適宜サポートする段階に入っている。
そんな中でまた、嬉しいことがあった。
わたしともっと積極的に勉強したいという学生がチームの中から現れたのだ。それも2人も!
全チームの中で、このような話が出たのは4チームだけ。2人も手を上げてくれたチームは2チームだけだったのだ。
これから3月までは毎週彼女たちと個別セッションをすることが決まった。
また楽しい日々が続きそうだ。
もちろん、他の担当学生にも時々声かけをしていきますよ!
すでに最終面接まで進んだ子もいますから!
未来の話に続く前に、最近あった嬉しかったことを書こう。
すでに、有料プログラムの卒業生となった彼女たちは、時々、学生代表としてこれからわたしたちの仲間となる人材の壁打ち相手になっているそうだ。
その中にこんなフィードバックがあったという。
「わたしの担当のメンターさんのようにもっと深掘りして話を聞いて欲しかった」
これを見た講師は、誰が書いたものかを聞いたという。
すると、わたしが担当しており、追加講座を受けてくれている学生だったとわかり、直接その講師から連絡が来た。
最初はクレームか!とびびっていたのでこの話を聞いた時は本当にメンター冥利に尽きた。
【続く】