お襦袢を仕立てると、ほとんどの場合、白い半襟がついてくる。
これは、四半世紀前ぐらいは、殆どつけなかったものだ。白い半襟なんぞ、ダサい。半襟ぐらい、好きなものをつけたいじゃないか。
という理由で、台衿のさらしをそのままに納品したものだ。
ところが、この頃は、9分9厘、白い半襟をつける。正絹であれば、2000円ほどもするのに、無条件でつける。
そして、なぜかその上に、柄物の半襟をつける。
もともとの半襟がついているうえにもう一枚つけるものだから、もっこもこになる。
なぜ?
半襟付け替えの依頼に、付け替えなのだから、白い半襟を外して指定の半襟を付けたら、クレームが来た。曰く、
「なんで、半襟を取ったんだ。白い半襟の上からつけるもんだろう」
はい?
いや、逆にこっちがクレーム付けたいよ!
白い半襟は、台衿の一部じゃないんだよ! 気に入らなきゃ、最初からつけんなよ! もったいないだろう!
だんだん、和装にも謎ルールが浸透してきました。(令和4年 5月)