イカスミのパスタ

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コラム
年に一回か二回くらいなんだけど、突然イカスミパスタが食べたくなるんですよ。
あの黒々したソースに絡んだ、ニンニクの風味があって、何とも言えない味わい・・・。

いつもは、何とかシェフのレシピとかいう、レトルトのやつを買って、スパだけ茹でて食べるんですが、前回、そのイカスミパスタ食べたい衝動を発症した時、何をトチ狂ったか・・・

自分で作ってみよう~!
生のイカをスミ袋付きのやつを手に入れたら、自力でできるはず!
などと甘いことを考えてしまったんですね。

イカをさばいて、スミ袋を取り出して、フムフム~とレシピサイト通りに作ったんですが、これがゲロまず!

もともと料理上手ではないんですが、とりあえず食べられるものは作れる自信はありました!

だけど、このゲロまずのイカスミばっかりは、もう・・・呑み込めないんですよ!まずくて!生臭いし。多分、イカスミを使っていいほど新鮮じゃなかったんでしょうね・・・。

だけど、私ったら・・イカをさばくときに約束しちゃったんです。
「うちに来たからには、美味しく最後までいただくから、安心してね!」って・・・。

ウキウキで作って、味見して・・・どよ~んと魔女のナゾ鍋状態になってるのを見るに・・・これは・・・食べきれないかもしれない・・・という不安が生じてきました。
それで、味をごまかすために、とろけるチーズなんかを入れて・・・
さらに悪化させ・・・

これは!!無理かもしれない!だけど、食べるものを捨てるなんてできない!しかもイカに約束しちゃった~!!

二日に分けて、なんとか食べた!
えらい?
だけど、その日、イカスミスパのノルマがあると思ったら、本当にどよ~んとした気持ちになってしまいましたね。

食事って本当に大事ですね!
マズイものって、人の生気を奪います。

その時に思ったんですが、私は過去に二年ほど中国の田舎の方に滞在していたことがあるんですよ。
田舎なので、こじゃれた感はないし、かなり前の話・・・反日っぽくなる前くらいなので、15年くらい前になりますかねぇ。
言葉もあんまりできないし、田舎なもんだから、英語も片言なら通じるレベル・・ハロー、サンキューくらいなら通じるけど、そのくらいの中国語なら私だって・・・ニーハオとシェシェくらい言えますもん!
(一度その町の外れのお茶屋さんでプーアル茶を買おうとしたら・・・店のおじさんが、「英語わからん」って奥さんを呼び・・・奥さんが「わかんないわ~」と学校帰りで体操着姿の娘さんを呼び・・・家族総出になっちゃったことある(笑))

都会はみなさん英語を話すんですけどねぇ。若い人なら。

で、そこで言葉が分からないながらも、食べ物を確保しなければならないわけです。
指さして、これとこれ!みたいな?子供のお使いみたいな買い物の仕方をするしかなかったんですがー。
一度だけ、ソーセージ状のナニカを買った時。
スーパーでお惣菜コーナーがあって、そこで売り子のお姉さんが量り売りをしてくれるシステムだったんですけど・・・
そのソーセージ状のものを買って食べたら、それがまた何とも言えないまずさでしたね!

豚肉のソーセージではまったくなく、魚肉ソーセージでもない、何かがソーセージ状になってるだけのもので・・・
鼻に抜ける香りが無理だった!
なんかガソリンの味がする!

ソーセージだと期待して一口食べたもんだから、そのギャップに目も覚めるというものでしたねぇ。

思うに中国人というのはとても懐の深い人たちなのだと思うのですよ。
味覚の幅がとても広い。
とんでもなく美味いものも作り出して食べるくせに、とんでもなくまずいものも平気で食べるという・・・許容できる味の幅がとてつもなく広いのです!

日本人に生まれてしまったがために、私たちは味覚の幅という人類が生き残るために必要なスキルを獲得できなかったんですよね。残念ながら・・・。


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