なぜ?! ヨーロッパで、右寄りになる日本人

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3年前までドイツのバイエルンに住んでいました。あ、もう4年前になるのか!
その時にはあんまり気づかなかったのですが、今更みてますと、ヨーロッパにいる日本人の人に割と「保守」と思われる発言が多いのです。

ドイツは特にそうなんですが、割と左翼的、急進的、リベラルな方がカッコイイ的なイメージを持ってそうですね。
環境問題に敏感だったり、移民に対して寛容に見えるし。
ナチスのせいで、表立って国粋主義的な発言がしにくいという歴史的背景もあるでしょうね。

環境問題と言えばドイツ!ですが、ドイツ人の環境意識ってどこかちぐはぐですよ(笑) 冬に室内暖房ガンガンいれて本人は半そで・・・

一枚着て、暖房を下げろよ、エネルギーどれだけ食うと思ってんだ!
その口で地球温暖化、海面上昇とか・・・
ちゃんと下着着て、靴下履いて、暖房はそれから!!いらっとします。まったくもう。

さらに寝室に暖房いれて、窓を少し開けて寝る人がいるらしい。バカだろ・・・。(通訳の人に聞いた話。日本人妻が寒くて凍え、窓閉めるとドイツ人夫が暑いというので寝室別にするしないでモメて離婚騒動まで発展したとかなんとか)

自分は我慢したくない。自分の知らないどこかの誰かが苦しんでるなら可哀そう。ギリ「キリスト教的博愛精神」があるので。基本的にヨーロッパ人はこんな感じです(→独断偏見ですが・笑)

基本的に私はイメージとしての「ヨーロッパ人」が嫌いなんですね(文学芸術は好きだし雰囲気も好きです)
一対一で個人として付き合ってくれるいい人もいます。
コテコテ日本人の私なんぞを相手にするドイツ人自体、かなりレアな変わり者でしょうね。日本にいても私と付き合ってくれる人なんて、かなりいい人だし、かなり変わり者だと言えますので・・・

さてさて。
在欧経験者で私のようにヨーロッパ人嫌いになってしまう人と、逆に保守主義に走ってしまう人がいます。

10代、20代前半からずっとドイツで、ドイツの教育受けてドイツで仕事して・・・という人で、教養が高く経済レベルの高い階級で現在70代以上となると、今度はとたんにリベラル寄りになる。確かにリベラルの人の方が頭よさそうに見えますけどねー。そしてこういう人はよく「私はもう感覚がヨーロッパ人だから」とおっしゃいます。お付き合いされる人脈も、その階層のドイツ人でしょうからね。

数年前くらいから「現代」というオンラインでも読める雑誌でドイツのインサイドニュース的な記事を発信していらっしゃる方がいて、川口マーン恵美さんでしたかしら・・・お名前違っていたらごめんなさい。この間、ネット記事で上がっていたので読みました。ついこの間までシュトットガルト在住と紹介されてましたが、今はライプツィヒになってました。お引越ししたんですかね。

この方、ガチで右派です。
ドイツ人の中でもレアなくらいじゃないですかね。
日本人には珍しくメルケル叩きしてました。ほんと、メルケル万歳じゃない記事を探すのはドイツでも大変でした。
今は、メルケルさんが引退して、多少は日本で「メルケル時代、ヤバかったんじゃね?」みたいな記事が出るようになりましたけど。
ちょっと前までは、メルケルヤバイ系の記事書いてたの川口さんくらいじゃなかったかなぁ。

どこの国もメディアと政治の癒着はかなり進んでますよね。
特にメルケル時代にじわじわとメディアが取り込まれてきたので、メルケル万歳路線の新聞記事を日本語訳したところで、やっぱりメルケル万歳路線は変わらず。川口さんのようにドイツで生活し、肌感覚での違和感を日本語で記事にしてくださる方の存在は貴重でしたよ。
だけど、日本のガチガチ右派なyoutubeチャンネル「WiLL」なんかにも出演しちゃってたんで・・・用心深く記事を読む必要はあると思います。

というわけで、前置きが長かったが、本日のテーマ、どーん。
「どうして、ヨーロッパに住む日本人が右寄りになるのか」

ズバリ。
ヨーロッパ好きな日本人は、「封建主義的な古き良きヨーロッパの幻想」
を追いかけているから、じゃないかなと思います!

ドイツに住んでみて、驚いたことがあります。
フツーの一般人の教養が思ってたほど高くないということに・・・。
テレビがよくいう「欧米ではー」のその「欧米」って多分平均以上の、エリートクラスの「欧米」のことじゃないですかね?

普通の大多数の一般人、普通に知り合える一般庶民階級レベルのドイツ人って、それほど日本と違いはないです。日本の一般人レベルの方がまだ教養知識があるかもしれません。彼らの頭の中では、いまだにアフリカは未開の土地で、アジアではいまだにアヘン戦争が続いてるんじゃないのか?!と思ったこともありますね。
(・・・形を変えたアヘン戦争は続いているかもしれない、アフガニスタンで)

基本的にフツウのヨーロッパの人はヨーロッパ、北米以外の土地に興味がないので、アジアやアフリカ文化、その他地域についてちゃんと知っている人は、マニアな人か研究者、芸術家といった少数派、ごくごく限られた人たちじゃないですかね。

そこで初めて気づいたんです。
私たちが大好きなヨーロッパ文化芸術はそもそも貴族文化、宮廷文化だということに!
ドイツといえば、文学、オペラ、哲学!深く物事を考える人種なのだなーと思っていたら、痛い目に遭いました。
これらは特権階級やインテリゲンチャがサロンなんぞで楽しむもので、一般庶民はそんなヨユーねーわって話です。

気付いてみれば、今まで気が付かなかったのが不思議なくらい、当然のことなんですけどねぇ、私がよっぽど「間抜け」だったのか、日本のメディアがそうさせたのか・・・。

日本の場合は、江戸時代で庶民文化が花開き、庶民でも娯楽文化が定着。
明治になりますと、茶道や華道など貴族文化も庶民レベルで楽しめるようになりました。もともと日本の一般庶民レベルの文化度が高かったんですよね!

昭和中期くらいまでは、日本人で西洋文化を直に味わえたのは、やっぱり教養があり、ある程度の財産のある家の人だけ。
海外で勉強、海外の文化を日本に紹介するような人たちは、外交官やその家族など、社会的地位の高い人たちか、研究者や教授など知的職業の人、実家が金持ちの耽美主義的ボンボンなわけです。

私のような一般庶民は、そのアッパークラスの日本人が紹介するヨーロッパの上澄みのいいところだけを見て、「ヨーロッパすごいなー」「素敵ー」「優雅ねー」ってイメージ持っちゃってたんですよねぇ。
日本に紹介されていたヨーロッパ文化は、普通レベルの階級では味わえなかったはずの、素敵で優雅なところばっかりだったわけです。
実際住んでみて「こんなの私がイメージしてたヨーロッパじゃない!」と幻滅してしまう人、私だけじゃないと思います。

これも移民が入って来るせいだ→古き良きヨーロッパに戻って!→だが現状ヨーロッパは経済優先、ますます移民が増える→その反動でヨーロッパで外人なはずの日本人がガチガチの保守
という流れなんじゃないかなって気がします。

私は保守でもないですけどね・・・。「欧米人」が無理なだけ(笑)

私がドイツ滞在歴があるという話をすると、日本のおじいちゃん、おばあちゃん方からよく言われるんですが・・・
「ドイツと言えば、三国同盟で一緒に戦った仲だから!!」(爆)
カァァァァ!ってさすがにこれは恥ずかしくなってしまうのですよ。
これはほんと、やめてあげて・・・ドイツ的には三国同盟なんて触れられたくない黒歴史!
こんなこと面と向かって現代のドイツ人に言ってしまったとしたら・・・
途端に汚いものを見るような視線を投げ、するっとまるっと冷たく無視するでしょうね。そのドイツ人の顔が容易に想像できますよ・・・。

ここに日本万歳とも言えない、もどかしさがあるんですよね。

だけど、それを含めて楽しむことが出来たら。。。それを受け入れたうえで見方を変えて楽しめたら・・・別の発見があって、面白そうです。



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