言いたいことも言えないこんな世の中

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poison・・・毒、ですね。毒を盛るという意味もある英語です。
反町さんのお歌で有名ですね。

これラテン語経由の古フランス語だそうですよ(→さっき調べた)。
本来は、「飲み物」という意味だったそうですが・・・まぁ、イメージとしてはアレですよ。
「トリスタンとイゾルテ」なんかに出てくる「ホレ薬」みたいな・・・なんか瓶に入ってて、魔法使いのおばあさんが「ウッヒッヒ」とか言いながら若い娘さんに差し出す、みたいなやつ。

もともと、イゾルテのお母さんが魔女系統の人だったらしいです。
それで、娘の嫁ぎ先の王様がかなり年上のジジイだったから、これでは夜の生活が母、心配・・・ということで、ホレ薬を調達した、という流れです。
それが間違って、なぜか、トリスタンの方に効いてしまったところから悲劇が始まる物語。

英語とドイツ語は、共通する単語が多いんです。
発音は違うし、スペルも違うことは多いんですが、ご親戚なんですね、というくらいは似てます。

だけど、似てる言語のはずなのに、まったく別の意味になってしまうケースもある。

この「毒」に関してもそれは言えます。
英語で毒はpoison。
ドイツ語ではGift。

Giftっつたら、あれですよ、英語で言うところの贈り物、プレゼントという意味です。
なのに、ドイツ語では「毒」という意味でよく使われます。giftenと動詞化させますと、怒らせる、というような意味になり、ver-という接頭語をつけますと、vergiften、一服盛るという意味になります。

ドイツ語は時々、「おぉ~」と思うことがある言語で非常に面白い言語だと思います。
Giftに関しても、贈り物という行為に含まれる毒について、感覚的に分かっているのですね。

なぜこんなことを思ったかというと、前回の誕生日の一件です(三つ戻って「今日も誰かの誕生日」を参照)

私は、せっかくの誕生日に予期せぬ贈り物を頂戴して、気持ちが凹んでしまったのでした。
素直に喜べない、こっちは何もあげてないのに「申し訳ないな」というネガティブな感情を持ってしまい、何かお返しをしなきゃ・・・という、心に負担を感じてしまったのです。

卑屈になってるつもりはないんですが・・・「こんなワタクシメのために、このような立派なを賜りましてー」と三つ指ついてお辞儀したくなるような心持ち・・・居心地悪いんですよ。

ロシアのスパイがよく、ちょっとずつ、贈り物をして、だんだんとその贈り物を高価なものにしていくんだそうです。
「いつも悪いなぁ」という気持ちを抱かせてから、ずずっと「あの情報があったらなぁ(チラッ)」と心のスキに滑り込んでくる、という手法を日本人相手に使うそうですが、よっぽど日本の文化について詳しく研究しているやり方だと思いますねぇ。

この手法、他の国にも通用するかと言ったら、もしかしたら、日本人相手ほど、効果的ではないかもしれません。
「お前が勝手にくれたんだろ、俺はもらってやっただけだ、へへん」と言い放つことができる人、最強ですよ。

プレゼントが「毒」になる時・・・
「もらったから、何か返さなきゃ」とか「あげた分のリターン寄こせ」みたいな・・・何か対等ではない、公平ではない、相手との関係性に揺らぎが起きる。

毒を食らわば皿まで、毒を以て毒を制す、などと言いますね。
贈り物をもらったら「もらってやっただけで感謝するんだな、ガハハ」と自ら毒気の強い人になるかー。
こっちも何か下心をもって相手と接するかー。「おや、今回は貢物が少ないですねぇ」なんて・・・・
大人の世界は汚いんです!(笑)

下心というものを完全無視して、無邪気に喜ぶことができる・・・子供のような素直さって大事だなと改めて感じたんです。

ギフト、もらったら、お返し云々ではなく、贈り物をして嬉しいという気持ち、贈られて嬉しいという気持ちを持てる相手とだけ、お付き合いすることが一番楽で簡単なんですけどね。

天才児のことを英語でギフテットなんて言います。まぁ、「才能を与えられた」わけですが、ある意味、一服盛られている状態とも解釈できますよね。

普通の人には見えないものが見えてしまうという人とお話したことがあるのですが・・・「イイナーいろんな世界が広がって」と言ったら、ご本人は「あんな醜くて汚いものを見なくて済むならその方がいい」っておっしゃってましたよ。お可哀そうに。

中には見えてしまう彼女のことを「気持ち悪い」と感じる人もいるそうで、与えられてしまったために、その毒に当たってしまう人もいるのですよ。
ギフテットと、恵まれた才能という場合もあれば、何かの呪いのように作用してしまうこともある。

頭がよくて、期待されてしまって、プレッシャーに負けたり、妬まれて足を引っ張られたりして・・・「普通でよかったのに」なんてボヤいたりすることもあるでしょう。
親が金持ちだからと偏見の目で見られて嫌な思いをしてしまったり。
美人さんやイケメンさんは、なぜか意中の人から相手にされなかったり。

自分が欲しいギフトでない場合の方が実は多いんですね。そういう時には「ギフト」=毒の方を余計に強く感じてしまいます。

ギフトを素直に贈り物として感じるか、毒として感じるか・・・
「ベラドンナ」という薬草は、少量なら薬として用いられるけれど、大量に服用すると毒になる。
ギフトも適量用量を守って、健全な人間関係を作っていきたいものです。

・・・もらって素直に「嬉しい」とだけ感じればいいものを・・・私みたいに貧乏根性で「お返ししなきゃ」と背伸びしようとする人間の方が圧倒的に多いですからねぇ。相当反省してますよ・・・。
ギフトを、プレゼントとするか、毒とするか・・・その人次第なのですね。

そろそろ10月になりますね。クリスマスのプレゼントなんかを予定して行かないといけない時期ですね。
みなさんも、ギフトにならないプレゼント、考えてみてはいかがでしょう。

ちなみに私はちゃんと準備してますよ。
うちの観葉植物、月桂樹なんですけどー。この葉を無水アルコールに付けておくと、とってもいい匂いになるんです。
あと、数週間つけて置き、それを素敵風な小瓶に小分けにして、VさんとTさんに贈るつもりです。アルコールにつけておくと匂いだけじゃなくて、とてもすてきな琥珀色になるんです。

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