技術士の資格は役に立つのか?

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法律・税務・士業全般
技術士の筆記2次試験が10月に発表されましたね。
受験された方はいろんな思いを抱えられていると思います。

さて,今日は技術士の資格自体が,

役に立っているの?
取得して意味があるの?
なにかいいことあった?

という質問をよく受けるため,書いてみたいと思います。

 正直,取得してる部門にもよると思います。土木・建設関係などは,技術士の建設部門をもっていないと仕事が受注できない,などもあるそうです。僕自身は8年前に技術士の応用理学部門(物理及び化学)を取得したのですが,持っていないと仕事が受注できない,困ったなどということはありませんでした。僕と同じような部門の方向けに,取得しようと思ったきっかけと合格するまでの経緯,この8年間の状況を書き連ねたいと思います

取得しようと思ったきっかけと合格するまでの経緯

 29歳のときに仕事で行き詰まっていました。周りの人たちと見比べると何も持っていない。なんか「武器」が欲しいなぁと思ったのがきっかけです。ふんわりと技術士の資格あったらかっこいいなぁぐらいの気持ちでした。将来,転職するときに有利になるかな?ぐらいです。
 ご存知のように技術士取得のための2次試験を受けるには,まず1次試験,もしくは大学でJABEE認定単位をとる必要があります。29歳のときはどちらも持っていなかったこと,大学では電気工学専攻だったため,そのときの知識が少しは使えるかと思ったことから,1次試験は電子電気部門を受験し,29歳で合格しました。受かったときは嬉しかったですが,給料があがったりすることはなかったです。取得後,仕事の激務にかまけて,すっかり技術士取得が頭から離れてしまいました。
 2次試験を受けようと思ったのは,そこから8年後の37歳のときです。転職したのですが,その転職先にいた技術士の先輩に受けりゃいいのに的なことを言われ,受けて自分がどのくらい力がついたか見てみるかぐらいの感じで受けました。受験するにあたり,会社に入って関わった業務を振り返ると,1次試験で合格した電子電気部門の範疇ではなく,どちらかというと表面分析や実験で物理化学の現象を追いかけていたので,問題がもっとも解きやすそうな応用理学部門に変更しました。問題が自分の知っている知識と合っていたためか,37歳で合格できました。


プラスに働いたこと


・社内での評判は上がった。社内での相談事が増えた。
・会議での発言での信頼度が上がった
 このへんは自分の実力も上がってきたこと,社内で成果がでてきたこともあったと思いますが,技術士の試験で培った論理が活かされていと思います。
社内もクライアントだと思えば,行動は自ずと説得力のあるものになりますね。


・判断基準が明確になる

 これは技術士だから,というわけではないですが,公益の確保やクライアントを意識することが「自分は技術士なんだ」という気持ちからなおさら強まり,仕事の優先順位が自然と明確になりました。


・日本技術士会のイベントに参加できる

 興味深い講演などがいろいろ案内が来ます。自分の知らない世界がいっぱい知る機会が増えました。


マイナスに働いたこと

・お客さんからの技術的なクレームが減った。
 これはプラスと受け取る方もいらっしゃると思います。社内,社外問わず,変なクレームを言われることはなくなりました。先輩の技術士も仰っていましたね。先輩いわく,聞いたらヤブヘビだと思われているんだと思うよ,とのこと。僕自身,博士号もそのあと取得したのですが,なおさらでした。たまにもっと会話したいのに,ぐいぐい来いよ!と思ったりするときがあります(笑)。

他に取得していて,足かせになったりしたことはないです。

正直,給料は増えた?

 会社によってはインセンティブ(資格取得による報酬)があったりするそうですが,僕の会社ではありませんでした。
技術士を取得したからといって給料が突然増えたりはなかったです。自信がついて成果を出せることに繋がり,結果的に給料が増えたことには繋がったかもしれません。


 こう書いてみるとプラスが多いですね。技術士なんて取得しても意味がない!なんて言う声も聞きますが,取得して自分のモチベーションが高まり,行動がプラスになるんであれば,意義のあることだと思います。
取得を目指している方は諦めず頑張ってください!

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