定年を待ち望む 大野君の仕事観

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ビジネス・マーケティング

1. 以前勤めていた職場の同僚

私は20年前まで、花王販売株式会社(現在:花王カスタマーマーケティング株式会社)に勤務していました。

その後は、他のブログでもご紹介したように、キャリア形成支援の仕事に携わっています。

花王販売株式会社は、人間関係が良好でまとまりがあり、楽しく仕事をすることが出来ました。

また、ここで学んだこともたくさんあります。

今振り返ってみても、良いキャリアを歩むことが出来たと思います。

私はとても恵まれていると実感しています。

今日は、その頃の思い出を記してみます。

同僚の大野君(仮称)のことです。


2.大野君の口ぐせ

大野君にとって、仕事はとても苦痛だったようです。

勤務時間中、いつもカレンダーを見つめながら「あと3日で休みだ」「あと2日で休みだ」と口にしていました。

その憂鬱な表情を見て、私は「本当に仕事が嫌なら転職してみたら?」と、何度か提案したこともありました。

しかし、大野君は転職したら今の給料は貰えないし、転職なんて面倒なことはしたくないと語り、我慢を続けていました。

実は、大野君は気付いていなかったのですが、周りの人たちから「あいつがいるとやる気が無くなる」とか「職場の雰囲気が悪くなる」と言われていました。

「なんとか大野が辞めるように説得してくれ」


大野君が自発的に会社を辞めるように、私に依頼していたのでした。

その後、大野君より先に私が退職すること(笑)・・・

それ以来、大野君とはお会いしていません。


3. 最近の大野君

先日、以前の同僚と再会して昔話をする機会がありました。

その際に、大野君の話題になりました。

県外へ異動になりましたが、どこも引き取り手が無く、あっちこっちへたらい回しに。

最近、地元の長野へ戻りましたが、昔と変わらないそうです。

50代になった大野君。

このごろは、「あと◯年で定年なんだ、やっと辞められる」と、話しているそうです。

このエピソードを聞いて、驚きつつも、感慨深くなりました。

果たして大野君にとって、仕事とはなんだったのでしょうか。


4. 仕事とはなにか

延年と大野君のエピソードを紹介してきましたが、彼の考え方は一つのタイプを象徴しているかもしれません。

大野君にとって、仕事とは「嫌なことだけど我慢していればお金がもらえるもの」という発想なのでしょう。

だから、休日や定年後を心待ちにして、職場で過ごしている。

このような考え方で仕事をしている人が、大野君に限らず、案外多いのではないでしょうか。

でも、大きな問題があります。

それは、周囲の人にも、ネガティブな影響を与えていることです。

当人だけの問題ではなくなっています。

これって、二重で不幸ですよね。

①毎日嫌なことを我慢しているし、②周囲の人から煙たがられているわけですから。

私は、仕事とは「自分の好きなことや得意なことを活かして、社会貢献すること」と考えています。

もし大野君がこのような考え方をしていたら、間違いなく今とは違った人生になっていたでしょう。

あなたも、嫌々我慢して仕事をしているなら、周囲の人から嫌われていないか注意してみてください。

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