周易古占例(3)屋敷を求めるに際しての吉凶、運気の吉凶の占

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天元春日  周易古占例 3

本ブログでは、少しずつ周易の古占例を掲載してゆきたいと思います。

【易学・易占界において「2千年来の1人」と称された真勢中州とその一門の占例(3)】

ー真勢中州について

真勢中州(ませ・ちゅうしゅう)は、日本の易学史上、最も有名な人物の一人です。

『浪速人傑談』の伝えるところに依ると、

「真勢中州。名は達富、字は発貴、中州と号し、また復古堂と号す。俗称を彦右衛門という。尾張の人。天性・廉直にして、若くして易学を好み、新井白蛾(あらいはくが)に従いて学び、なお自ら研究して遂に易道に妙を得たり。中年の後は浪花(なにわ)に移り、専ら易学を講ず。また象蓍(しょうし)を作り、爻卦(こうか)を製し、易経の本文を錯綜(さくそう)して『復古易経』と唱え、其の占験の群に秀逸せること、精義入神にして、世・二千年来の一人と称す。文化十四年丁丑二月四日、齢六十四にて終る。歿後、北野寒山寺に墓石を立つ。」

と記されています。

ー真勢中州とその一門の占例

(5)は屋敷を求めるに際しての吉凶、(6)は運気の吉凶の占例です。

(5)或下舎(あるひとしもやしき)を求(もと)むるの吉卦を問う。
筮(ぜい)して家人(かじん)の中孚(ちゅうふ)に之(ゆく)を得たり。
占之曰家人ハ家ノ卦(か)、中孚(ちゅうふ)は彼我相向(ひがあいむこう)て信(まこと)あるの象なれば求(もとめ)て吉なりと云う。
遂に求めて吉なり。
以上は余(注・谷川順祐)並に同門の占を記す。
故に姓名を略す。師家の占は先生と記して門人の占と別つ。
下これに倣(なら)え。


(6)栄田氏(さかだうじ)運気(うんき)の吉凶を筮して大畜(たいちく)の益(えき)に之(ゆく)を得。
先生(注・真勢中州)占之曰吉なり。
大畜(たいちく)は、「たくわうる」なり。益(えき)は「さかうる」なり。
乾(けん)は健(けん)なり。震(しん)は動(どう)なり。乾震(けんしん)となる。健(すこやか)にして動くの義なり。
艮(ごん)は篤実(とくじつ)なり。巽(そん)は遜従(そんじゅう)なり。
艮巽(ごんそん)となる。篤実(とくじつ)にして遜(したが)うの象なり。
又大畜(たいちく)は止(とどむ)なり。益(えき)は恵(めぐむ)なり。
大畜(たいちく)の益(えき)に之(ゆく)、驕(おごり)の止(とど)めて人を恵(めぐ)むの意あり。
故に内剛健(うちごうけん)にして能勤(よくつと)め、外(ほか)篤実(とくじつ)にして能遜(よくしたが)う。
是以て驕(おごり)を止(とど)めて人を恵むときは必昌ん。
且(かつ)夫乾(けん)は金(きん)なり。玉(ぎょく)なり。艮(ごん)は止(し)なり。
大畜(たいちく)は聚(あつむ)なり。蘊(つつむ)なり。養(やしなう)なり。震(しん)は動なり。巽(そん)は遜(したがう)なり。益(えき)は増(ます)なり。大畜(たいちく)の益(えき)に之(ゆく)は此財を聚(あつ)め宝を蘊(つつ)み、人を養い業(ぎょう)を増(ま)すの卦なり。
吉孰(きつたれ)かこれより大ならん。其必蕃昌(はんじょう)せん。
後果して其言の如し。 此國語司空季子の占辞にならう。
もと漢文なり。今、其意を取て和解す。

※出典 谷川順祐(竜山)『周易本筮指南』

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