何かに突き動かされるまで、やらない理由

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マネージャーであるならば、市場における差別化や仕事の効率化を目指して、これまでやったことのない新しい取り組みにどんどん挑戦したいという気持ちは常にあると思います。
しかし現実には、チーム内でのやる気の醸成が十分とは言えず、中々一歩を踏み出せずにいることも多いのではないでしょうか。
今回はそういったケースについて考えてみます。

理想と現実のGap
チームビルディングの際によく言われることのひとつに、スピード優先、失敗から学ぶ、超高速PDCAを回す、が良い会社、良いチームの指標だということがあります。
私もその通りだと思いますが、一方で、人間の機微という面からみると、やりたい気持ちになっていない段階でスピードを重んじるあまりマネージャーの権限で半強制的とまでは言わないものの、なんとなく「NO!と言いにくい雰囲気」の中で、新しい取り組みなるものを決めて見切り発車したらどうなるか?ということもあります。
多くのケースでは結果は良いことにはならないでしょう。
それどころか失敗から学びを得るということも無いと思われます。
何故ならメンバー視点では、「どうせダメだろうと思いながら始める」→「問題は普通に起こる」→「それ見たことか!となる」→「全然上手くいかない」→「マネージャーのせいで時間と労力を無駄にした」となることが容易に想像できるからです。(学ぶに至る土壌がないのです)
このケースにおいては、チームの状態としては決して良くははありませんが、マネージャーは先ず「それが今のチームの状態なんだ!」という認識を持つ必要があります。

すぐやる人、時間がかかる人
どんな人でも、やる気になれば少々の困難にも対応してことを進めます。
ただ肚落ちまでに時間がかかるか、結局肚落ちせず始めない割合が高いということはあるにしてもです。
中には何事も直ぐに始めるメンバーもいます。
その差について「何が違うのか」ということですが、私の経験では、「チームの方向性に共感している」+「それができたらこんな良いことが起きるかも」、そして「その過程で得られるものが自分の将来にとって必要なもの(スキルや経験)であること」を結びつけるのが上手な人はその傾向にあると考えています。

マネージャーが肝に銘じておくこと
であれば、ひとりでも多くのメンバーにそうなってもらいましょう。
その仕事をしなければならないのはマネージャーですよね。
少しづつでも個人、チームを良くして行きながらスピード(というよりアジリティ:瞬発力)を高めていき理想のチームに近づけていくことにマネージャーの楽しみがあるというものです。
(非常時は別として)現時点ではチームのアジリティーが低い状態で「力技」を使って新たな取り組みを進めてみても結果は見えているということになりますので、メンバーひとりひとりが「何かに突き動かされるまではやらない」というのが私の考えです。
一見後ろ向きな感じはするかと思いますが、マネージャーはチームの貴重な資源(メンバーの時間)を有効に使ってその状態での成果を最大化させなければならない使命があります。
よって「チームの変革もせずに出来もしないことにマネージャーの思いだけで突っ走り貴重な資源を費やし仕事をしたような気になってはならない」ということを私たちは肝に銘じておかなければなりません。
早く理想のチームに近づけるための一歩を踏み出したいですね。
このケースのような状態ではメンバーもマネージャーも楽しいとは云えないですから。

追記:無理くりでもスタートさせて進めながら「メンバーに面白味を感じさせ、チームの雰囲気も段々盛り上げていく」自信があるというマネージャーは別です。(もはやそのマネージャーは超一流です)
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