気楽に読んでください、呼吸のおはなし ~その12~

記事
コラム
昨日の記事は、ちょっと拍子抜けした方も多かったかのかも知れません。
何せ呼吸ほど、お手本などというものに惑わされるべきでないものは無いと思いますので、いつもこんな調子で、皆さんが何かを掴もうとしても掴めないような、実態があって無いようなことばかり並べ立てているような有様です。

このようなワークショップをSkypeやZoomを通してオンラインで行うようになったのは、今も続く新型コロナウィルス騒ぎがきっかけでした。
今でもいろんな方からは、「呼吸のワークみたいなものがオンラインで成立するもんなんですか」と尋ねられるように、僕本人も、始めた当初は一体どうなるのか出たとこ勝負感満載でした。

ところが、参加した皆さんも勿論僕も、自分の住み慣れた空間に基本一人ぽつんと居て、さぞや寂しいことだろうと予想しながら画面を通したやり取りを元に自分の体と呼吸に没頭してみた訳ですが、いざ蓋を開けてみればこの " 自分の体と呼吸に " の部分が想像も出来なかった程にクローズアップされ、新鮮な衝撃を受けたというのが実際のところでした。

いつもみたいに皆と同じ空間で、体温や呼吸の音を感じながらじゃないと成立しない世界、いつ誰が決めたのか、そんな思い込みを皆持っていて、画面を通してなどでは肝心なものが伝わり切らないのでは無いかと、半信半疑よりももっと疑念を抱いての試みとなっていて、確かにリアルに対面しての通常のワークショップとオンラインでやるそれとでは、同じとは言えないでしょう。それに、コロナのような余計な心配事が払拭されれば、直ぐにでも元の形態に戻そうともするでしょう。

しかし、一人一人の空間を繋いでオンラインを試みた時に見えてきたもの、それは、自分の呼吸は自分にしか出来ないという、馬鹿にするなとお𠮟りを受けそうな、至極当たり前だがつい忘れがちで、かなり重要な事実なのでした。

目の前にどんなに凄いカリスマ呼吸マスターが居たとしても、その人がどれだけ懇切丁寧に呼吸"法"を指導してくれても、最後には自分の呼吸は自分でするしかないことに気付く、それが最も大切なことだと思うのです。

自分が師と慕う人であろうと、共に学ぶ仲間であろうと、 憧れたり比べたりの対象となる、そんな呼吸は何処にも無いのです。
どんな呼吸の達人でも、あなたの呼吸を代わりにはやってくれません。

ここ数回に掛けてお伝えしたような、自分の体で感じる呼吸の実験も、そのように、他の影響を顧みずに、純粋で個性的である筈の其々の感覚に目覚め尊重出来るようになる一歩として、お使い頂けますと幸いです。

つづく



サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す