縦すべり窓は吊元どっち?

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今回は日本の住宅で使う機会の多い窓縦すべり窓。お問い合わせの多い、縦すべり窓の開き勝手について解説致します。こちらの窓には左右があるのはご存じですか?左右の勝手の事を吊元と呼びます。この吊元はどちらにすればよいのか?こちらについて解説します。建築会社さんにお任せですか?何故その吊元になっているかしっかりとした理由は有りますか?
縦すべり窓の吊元に関しては、外観から窓を見て右か左かどちらに丁番があるかで判断します。この考え方は日本のサッシメーカーは共通です。

1.通風性
・縦すべり窓は海外ではウインドキャッチ窓と言われるケースもあります。それだけ風を捉えるのが得意です。住宅の外壁沿いに流れてきた風を縦すべり窓がキャッチして室内に導いてくれます。ですので、通風性に縦すべり窓は大きく影響を与えます。自然の風を捉えるのですから、ご自宅の土地の季節風を把握しておく必要があります。卓越風とも言いますが、こちらは気象庁のデータで簡単に確認する事が可能です。風配図と言いまして、そのエリア毎の卓越風を、月ごとに風向き・風の強さを表した図です。風配図を見れば、通風を利用したい季節にどの風向きになるのかが分かります。風向きが分かれば、その風をキャッチする為の縦すべり窓の吊元も決まります。
※もちろん周辺の建物・樹木などの障害物の影響も考慮してください。
・同じ部屋、同じ方位面に縦すべり窓を2本並べる場合は、同じ吊元にはしてはいけません。左右反対の吊元を寄せて2本並べれば、風を上手くキャッチする事が出来ます。

2.操作性
・縦すべり窓には開閉方式で主に2種類あります。1つはカムラッチハンドル式、もう一つはオペレーターハンドル方式です。カムラッチハンドル方式はハンドルを握ってひねれば開閉出来ます。オペレーターハンドルはつまみのハンドルをぐるぐると回すと開閉出来ます。ハウスメーカーさんはオペレーター方式が多いです。カムラッチハンドル方式の中でもグレモンハンドルと呼ばれるハンドルは特に気密性が高い窓です。
例えばカムラッチハンドル方式の窓を洗面所の洗濯機の上に配置した場合、洗濯機が邪魔でハンドルまで手が届きにくくなり、開ける事の無い窓になってしまいます。そういった場合はオペレーター方式が良いです。
更にどちらの吊元の方が開閉がやりやすいのか?手前にある物をしっかりと検討して考慮下さい。

3.採光性
・こちらは吊元とは関係ありませんが、縦すべり窓を検討する上で重要な要素です。縦すべり窓には室内側にロール網戸や固定網戸を付けるケースが多いです。窓を開けた際の虫よけです。ですので、そもそも開ける機会の無い窓に縦すべり窓を配置してしまうと、無駄に網戸が付いてしまいます。縦すべり窓の網戸は意外と部材も太く存在感有ります。網戸によってガラス面積が狭くなり、採光性が落ちてしまいます。そもそも窓を開けない箇所は縦すべり窓である必要は無いのです。

以上縦すべり窓の検討でした。
当方の通風シミュレーションはエリアの卓越風を考慮した通風シミュレーションや縦すべり窓の吊元検討も実施しております。
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