住宅の日当たりの基礎 - 快適な暮らしの第一歩＿周辺環境編

住宅取得を検討されている皆さんへ。日当たりの良い住宅は快適な生活のために必要不可欠です。今回をこれから探す方向けの内容になります。土地の周辺環境、つまり隣接する建物、樹木、山などが日当たりにどのような影響を与えるのか理解することは重要です。以下、それぞれの要素について詳しく解説します。

1. 建物: 周辺の建物は、その高さや位置、形状により、土地の日当たりに大きく影響を及ぼします。特に南側に高い建物が立っていると、冬季に日照時間が大幅に減少する可能性があります。また、隣接する建物が近すぎると、日中でも日陰になってしまうこともあります。現地調査時には、現在畑や更地であっても、周辺の建物の位置や高さを確認し、将来的に周辺建物と同じ高さの建物が建つことを想定しなければなりません。

2. 樹木: 大きな樹木も日当たりを阻む要素となります。落葉樹は夏季には日陰を作り出し、冬季には葉を落として日射を通すという特性があります。しかし、常緑樹は一年中影を作り出すため、日当たりに大きな影響を及ぼします。また、樹木は成長するため、将来的に日当たりを阻む可能性があることを考慮する必要があります。

3. 山: 地形も日当たりに大きな影響を与えます。山の影になる地域では、特に冬季に日照時間が大幅に減少することがあります。また、北斜面は南斜面に比べて日当たりが悪くなる傾向があります。

4. 法規制: 建築基準法や都市計画法などの法規制により、建物の高さや形状が制限されることがあります。これは隣地への日照を確保するための措置で、これらの法規制により日照権が保護されています。

5. 道路: 道路の存在も日当たりに影響を及ぼします。特に、北側に広い道路がある場合、北からの日射を確保しやすく、冬季の日当たりを改善することができます。また、道路からの視線を遮るために設けられたフェンスや壁が日照を阻む場合もありますので、注意が必要です。

6. 土地の形状と面積: 長方形の土地で、長辺が南北に走る場合、東西からの日照時間が長くなります。逆に、東西に長い土地の場合、南面からの日射を長時間得る事が出来ますので理想的です。更に夏の西日の影響も少なくなる為（西に面する面積が少ない為）良いです。また、土地の面積が広ければ広いほど、建物や樹木による影の影響を受けにくくなります。

また、日射の回でも触れましたが、南面の日射は特別で得られるか得られないかで、明るさと快適性変わってきます。南面の太陽光の特性を十分に得る為には、南面に対して正面を向いた建物配置が理想的です。ですので、土地の形状や建物配置で、南に真正面に建物を配置出来る条件の土地を選びましょう。

こうした要素を把握することで、日当たりの良い土地を選ぶことが可能となります。しかし、これらは一部の要素に過ぎません。例えば、将来的な開発計画や地域の風習（例えば、地域の樹木の伐採が難しい等）も考慮に入れる必要があります。また、日当たりだけでなく、風通しや眺望、地域の生活環境なども重要な要素となります。

色々理想を書かせて頂きましたが、土地探しは正直タイミングや巡り合わせなどの運も大事です。色々土地を探したり見ている内に、迷子になることも多くあります。

※どれがいいか分からなくなる。見学しすぎてハードルが高くなり決められない。

どれだけ良い土地を見つけても、タッチの差で他の人に取られてしまう事もあります。住みたい街や条件が決まっている場合、不動産屋さん数件に希望条件をお伝えし、不動産屋さんと土地情報を先に入手できる関係を構築しましょう。※条件の良い土地や不動産は、ネットなどに掲載前に内々で決まっており、情報がオープンにならないケースも多くあります。

最終的には、あなたが住みやすいと感じ、快適に過ごせる場所を選ぶことが最も重要です。日当たりの良い住まいは、健康的で快適な生活を送るための第一歩です。