住宅の日当たりの基礎 - 快適な暮らしの第一歩 _敷地編

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今回は建物の敷地・土地について説明します。
敷地の形状と方位は、住宅の日当たりを計画する際に重要な要素です。
土地探しからご検討の方は、参考にして見てください。
以下に、敷地の形状と方位に関する詳細なポイントを説明します。

1.敷地の形状
敷地の形状が日当たりに与える影響は大きいです。長方形や正方形の敷地は、日当たりを最大限に活用しやすい形状です。矩形であれば建物配置や駐車場の配置、車の導線など計画がやりやすいです。不規則な形状の敷地でも、十分な日当たりを確保できるように建物の配置や設計を工夫することが重要です。
不規則な形状の土地の場合、設計者の力量が問われる土地になります。
※逆に設計者としては、そういった土地の方がやりがいがある人もいます。

3.敷地の方位
敷地の方位は、住宅の日当たりに大きく関わります。1番重要な要素といっても良いです。南向きの敷地は、日中の日差しを最大限に活用できるため、理想的です。なるべく住宅を真南に向けて建てられる条件の土地をお選びください。理由は方位別の太陽光の特性が異なるためです(前回の記事参照)。日当たりが良い=南面からの日当たりが良い、と考えて下さい。それだけ南面からの太陽光は特別(明るさに与える効果高い)なのです。しかし、土地の条件を選べなく東や西の太陽光が強く当たる条件の場合、その条件に合わせた建物窓配置や建物形状を取らなければなりません。これがパッシブデザインでもあります。そうすることにより、南面の太陽光は得られなくとも明るく・快適な住宅を設計することが可能です。

4.敷地内の日影計算
住宅の設計段階もしくは土地の取得前に、敷地内の日影計算を行うことが重要です。春夏秋冬季節毎に土地にどのように影が差し込むのか?今の時代は事前にシミュレーション可能です。これにより、一日の中でどの時間帯に日陰ができるかを把握し、建物の配置や窓の位置を最適化することができます。土地を買ってから後悔することも防げます!不動産業者さんより『日当たりは大丈夫!十分です!』と言われても理由になりません。経験則に基づいており、特に根拠が無いからです。更に土地販売は売ったら関係は終了の商売が多いです。ですので、目の前のお客さんが買ってくれる人なのか?買ってくれない人なのか?が重要なのです。
要するに自分で責任を持って判断しなければなりません。

5.周辺建物の高さと敷地面積の比率
周辺建物の高さとエリアの建蔽率も、日当たりに影響を与えます。
周辺の建物が2階建てなのか?3階建てなのか?は、最低でも東面・南面・西面で確認が必要です。エリアの建蔽率がどのくらいなのかによって、建物が土地一杯に建てられます。例え周辺土地が更地や畑であっても将来的に2階建てや3階建てが建てられる可能性がある場合は最初から考慮しておくことが必要です。周辺の建物が3階建てが多いのならば、更地や畑には3階建てが建てられる可能性を考慮しておかなければなりません。備えあれば憂い無し!

6.周囲の状況を考慮
敷地選びでは、周囲の樹木、風景などの状況を考慮することが大切です。将来的に新たな建物が建つ可能性や樹木が成長することを想定し、その影響を最小限に抑えるような設計を検討することが重要です。
逆に街頭の街路樹や隣の敷地の樹木を借景として、あえて見えるようなプランも良いです。その際に確認忘れないで頂きたいのは、樹木が常緑樹なのか落葉樹なのかも確認ください。樹木は夏は良い日射遮蔽になるので利用しましょう。常緑樹であると、冬に葉が落ちないので日当たりを阻害する要因となってしまいます。落葉樹であれば、冬は葉が落ちるので、日当たりを阻害することはありません。

7.通風との関連性
日当たりと通風は密接に関連しています。良好な日当たりを実現しつつ、適切な通風も確保できるように建物の配置や窓の位置を検討しましょう。通風を考慮した設計は、室内の熱負荷を軽減し、快適な住環境を実現することにつながります。日当たりの良い窓配置と通気性の良い窓配置のバランスが重要です。
日当たりの良い窓配置=通気性の良い窓配置ではありません。

8.日射調節の工夫
日射は良すぎると不快になるケースもございます。
それは夏の西日などです。夏は長い時間西日が差し込みます。
寒い季節は日射熱を得られるので逆に良いです。
外部に設置する可動式の日よけやオーニングで、夏場の直射日光を遮り、冬場は日光を室内に取り入れるようにすることができます。また、窓の形状やカーテンの選択も、日射調節に影響を与えます。

これらのポイントを考慮し、敷地の形状と方位を最適化することで、日当たりの良い住宅を実現することができます。最後に、住宅の日当たりだけでなく、通風や断熱性能なども総合的に評価し、快適で省エネルギーな住環境を目指しましょう。
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