生きる道:副業のバイブル ~自分と自分の職業を見直す~③

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ビジネス・マーケティング

●キャリア開発の可能性を探る


・キャリアの意味するもの

最後にもう一つだけ、キャリアのことについて書かせてもらいます。
そもそも「キャリア」って言葉の意味をどれだけの方がご存知でしょうか?
これには諸説あるのですが、一般共通的には次のように解されています。
「キャリア」(career)は中世ラテン語の「車道」を語源とし、英語で、競馬場や競技場におけるコースやトラック(行路、足跡、車道や、車の轍(わだち))を意味するものでした。(車を意味する(CAR)が含まれているため。他にはフランス語で「carriere」ともいわれています。)
そこから、人が辿る行路やその足跡、経歴、遍歴なども意味するようになり、このほか、特別な訓練を要する職業や生涯の仕事、職業上の出世や成功をも表すようになってきたということです。”キャリア官僚”などと比喩されるものこういった意味合いからでしょう。
如何でしょうか。

こうしてみるとキャリアというのは、自分の軌跡をさす言葉として捉えていいわけですから、俗に「キャリアアップ」とよく聞くかもしれないこの表現はいささかおかしくなるわけですね、アップもダウンもないのですから、軌跡には。
この項のタイトルで「キャリア開発」としているのはそのためです(筆者のちょっとしたこだわりです)。
前項でも自分の職業の見直しについて書きました。それが自分の「キャリア開発」に繋がるとなれば、なおさら自己と職業の見直し(開発)に取り組むようになるのではないでしょうか。というより、そうすべきだという考え方になっていくのではなでしょうか。
キャリア開発というのはもちろんその軌跡だけのことはなく、自分の将来を見据え、どんな人生を歩んで生きたいのか、将来自分はどのようになりたいのか、なっていたいのかといった、将来に向けた自分の夢や目標を設定してそれに向かって歩んでいく、ということが正しい認識だと思います。


★キャリア開発には自己否定も必要

ここで申し上げておきたいことは、これからの時代は益々自分自身が主体となって自己のキャリア開発をきちんと考え、そして構築していくことが重要だということです。まさに「個の時代」の到来なのです。

なぜなら、先にも書きましたが、日本古来の労働価値観の変容や労働市場・雇用環境の変化が起きている中で、ただ単にそのことだけを理由にし、自分たちが被害者であるかのような意識を持ち、「会社が悪い」「世の中が悪い」などとばかりは言ってはいられないのです。まして、そのような理由の代償として「だから副業を!」などとは勿論言って欲しくないのです。

人間も動物の一種でありますから、その本能として危険を感じた時の防衛本能はとても優れたものがあります。換言するなら、自分を正当化する動物であるということです。もっともこれは人間にしかできない技なのですが。
きちんと自らを見直し、持っている資質や能力、そして資源などを洗い出し、そのうえでキャリアをどのように開発していくのか、進もうとしている先は何処なのか、ということをきちんと考えるということは、即ち今現在の自分を否定してみて、そこに不足しているものはなんなのかを、逆に捉える一つの方法でもあります。

今の自分に満足している方には、キャリア開発などという概念は、まず無いに等しいと思います。また、我欲の強い方であれば、更なる欲望を掴もうとすることはあるかもしれません。それが、キャリア開発とは思えませんけれど。
このように、自分をある意味否定してみて、キャリア開発を考えた結果として目指すものを副業に求めていく、こういったスタイルも有りだし、意思決定ができるということに関しては、これも理想形ではないかと考えております。
ただこれは、あくまでも本業にそれらを見出せないとするならば、その選択肢が必要であって、本業そのものに自分のキャリア開発を描けるならば、当然その方が良いことであることは、誰しも否定できることではないと思います。
また、ここで言う「自己否定」とは、決して「自己卑下」ではありませんので、言葉だけ見ると自分を見下すようなイメージを持たれるように感じますので、一言書き添えておきたいと思います。メンタル的な障壁になっても困りますので。

筆者が捉えている「副業」は、あくまで自分のキャリア開発の中にある、「選択肢の一つ」であるということです。安直に、手っ取り早く簡単な小遣い稼ぎでも悪いとは言いません。それはそれで求める方が必要としていることですから、他人がとやかく言うことでもありません。むしろ、それをやれていることが立派であると言えるはずです。何もしないで、理論・理屈ばかり並べている人に比べたら。
ただ、少なくとも、それだけだとちょっと寂しい気がするのです。
せっかく臨む副業です、是非とも「ポリシー」を持ちたいものです。

つづく
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