プラットフォーム・ハラスメントが生まれるとき。

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コラム
あるソフトの最新版(正式版)が、先月末に発表されました。
本当は夏に出る予定だった無料のアプリ。
遅れるのはよくあることなので、そんなことは気にしていません。
むしろ、テキトーなものを出されて、エラー&アップデートを繰り返すことになる方が問題だと思うからです。

そして、2ヶ月くらいかな、遅れてでた、アプリ。

お試し用のβ版も使っていたため、念の為、上書きせずに、別インストールしました。
どうなったか。

正解でした。

関連する他社製品が、対応に追われて間に合わないならわかる。
けれど、自社の関連ソフトでまで、明確なエラーが出ているのに、気づかない訳が無い。それを無視して発表した…

確かに完璧なソフトなんて、難しい。OSだって、エラーを起こす。
けれど、それは、色々な使い方をしてみて、想定外のことが起きて、エラーに気づく、というパターン。
それならわかる。
でも、AとBは繋がってるソフトですよ、とうたっておきながら、AからBにデータを持っていった途端、エラー。
それって、最低限のチェックすらやってないってことだよね?
ソフト自体が、あんなにひどい状態になるのも頷ける。

プログラマーのせいではないと思います。
おそらく、今を逃したくない、上の人たちでしょう。そう信じたい。
芸術家であるプログラマーが、そんな杜撰な作品を作るなんて、信じたくない。

不具合が大量に噴出してくれまして。
それも、Mac OS版の方が多い。
Windowsを優先したね。だって、Windowsにしかない、「あの」ソフトで使ってもらうことを狙ったんでしょ?

仮にそうだとして、OSによって対応に差が生じ、不利益を被ることがあるとしたら、これをプラットフォーム・ハラスメント。プラハラと名付けよう。

まぁ、おかげで面白いバグ動画が撮れましたけれど。
このバグキャラ、残しておきますけれど。
代わりに、この会社に対する、私の信頼は地に落ちました。

無料ソフトだからいいだろう?

それは甘えです。
無料だろうが何だろうが、ユーザーはそれをインストールし、使用し、時間を費やすんです。それを無駄にしておいて、無料ソフトだから我慢しろ?
そういう考えが違うんです。
無料でやる大道芸だって、技を磨くんです。
私たち役者だって、ギリギリまで芝居の質にこだわるんです。
私たちがお客様からいただいているのは、チケット代だけじゃない。
その人の、人生の「時間」なのです。
チケット代は返せるけど、「時間」は返せないんです。
そう、『モモ』(ミヒャエル・エンデ)に出てくる「時間泥棒」です。
もっと、考えて欲しい。

iMacのOS、Big Surが出た時、それに合わせて全てのプログラムを組んでバグが起きないように揃えてきた会社がありました。
Adobeです。
AppleとAdobeとのつながりは古く、交流があるからかもしれませんが、それだけでしょうか?
Adobeが、Appleというブランド、Mac OSというプラットフォームをどれだけ大事にしているか、ということの現れであり、「MacでAdobe製品を使うユーザー」をどれだけ大事にしているか、の証拠でもあります。だからこそ、私たちは、この会社を信頼し、多少のバグやエラーには目を瞑り、時には笑い飛ばしてネタにして、愛しているのです。

少なくとも、今回の会社とは意識が違いすぎる。

最近、アプリの質が落ちている。
1行でかけるプログラムに、3行使う。
美しくない。

昔は、限られた容量の中に、いかにして情報を入れていくか、が重要視されていました。今は、いくらでも容量が使える。だから、ダラダラした美しくないプログラムになる。
厳選されない。

私の人生は、コンピュータの歴史とも重なります。
だから、余計に肌で感じるのです。

「優れた商品が売れるとは限らない」のだと。

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